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2019年の「今年の一皿」は「タピオカ」に決定

タピオカドリンクのほかに「タピオカ粉入りクレープ、タピオカ添え」の試食も行われた(撮影/柳田あや)

12月5日(木)、ぐるなび総研が2019年の「今年の一皿」を発表した。

4項目に絞られたノミネートワードの中から「今年の一皿」に選ばれたのは「タピオカ」だった。ノミネートされていたのは「タピオカ」のほか、「スパイスカレー」、「チーズグルメ」、「発酵食メニュー」。

準大賞には「発酵食メニュー」が選ばれた。

同企画は2014年にスタート。今年で6回目の開催となる。2014年の1回目は「ジビエ料理」、2015年は「おにぎらず」、2016年は「パクチー料理」のほか「シュハスコ(シュラスコ)」が特別国際賞を受賞、2017年は「鶏むね肉料理」、2018年は「鯖(さば)」が受賞している。

今年の一皿2019登壇者の皆さん
2019年の 「今年の一皿」に選ばれたのは「タピオカ」 (撮影/柳田あや)

「今年の一皿」2019は、飲食情報サイト「ぐるなび」にアクセスした月間6100万人のユニークユーザーが検索したビッグデータと、1796万人のぐるなび会員を対象としたアンケート結果から、今年話題となったキーワードを30ワード抽出、その結果の上位ワードをメディア関係者83社173名が審査して、ぐるなび総研の承認を経て決定した。

最終決定には、「その年に話題となった」、「その年の社会の動きと関係が深く世相を反映している」、「食文化の記録として後世に受け継ぐ価値がある」という3点が選定の基準となるという。

「タピオカ」は、「タピる」「タピ活」などの造語もできるなど、ブームを越えて社会現象化したこと、組み合わせるドリンクや甘さを調整できるなど多様性に富んだ楽しみ方が広がったこと、ゴミ問題が取り沙汰されるも、転じて若者を中心にゴミ拾いに取り組むなど環境問題への意識を持つきっかけとなったこと、原料であるキャッサバ芋が、グルテンフリー食材として活用の広がりが期待され、タピオカパール以外にも様々な形で日本の食文化に取り入れられていく可能性を秘めていることなどが、評価の対象になった。

スペシャルプレゼンターの建築家・隈研吾氏から「たぴりすと。」の奈緒・華恋両名に大賞の記念品が授与された(撮影/柳田あや)

「タピオカ」の受賞者代表としては、年間700店舗・1500杯以上のタピオカをめぐる、タピオカ愛好家たぴりすと。(奈緒さん、華恋さん)さんが発表会場に招かれた。

「タピオカはどうしても一過性のブームだったり若者向けという印象を持たれますが、実は長い歴史があり、タピオカドリンクだけではなく多様な料理に密に関係しています。今後も形を変え幅広い世代に広まっていくことを願っています」(たぴりすと。奈緒さん(以下、奈緒さん)

「タピオカは可能性が無限大です。今後もSNSを通じてタピオカの魅力を伝えていきたいと思っています。一方で、カップのポイ捨てやプラスチックストローの問題など、タピオカに関連するネガティブなイメージも払拭したいので、ゴミ拾いイベントの開催やマイストローの開発など、社会問題にも積極的に取り組んでいきたいと思います」(たぴりすと。華恋さん(以下、華恋さん)

大学院在学中にタピオカに興味を持ち、論文『日本におけるタピオカ』を発表したフリーライター・同志社女子大学非常勤講師の長友麻希子さんによると、明治期にタピオカプディングやスープの浮き実、とろみづけの原料といった「西洋料理の食材」として紹介されたのが、日本での最初のタピオカだといわれているという。

昨今のブームが起きるはるか以前から、タピオカは日本で知られていたという歴史を紹介した。

タピオカの原料のキャッサバ芋
タピオカの原料キャッサバ芋(マンジョッカ芋)(撮影/柳田あや)

また、タピオカ大国であるブラジルでの様々なタピオカの食べ方が、Mega Brasilの麻生雅人編集長によって紹介された。

南米ではヨーロッパ諸国が入植する以前の先住民族の時代から、原料であるキャッサバ芋を絞り、芋のほうをファリーニャ(粉)にしたり焼いて食していたという。

先住民の言葉で「タピ」=「パン」「オカ」=「家」というのが、タピオカの語源の有力な説のひとつであり、先住民族にとってもタピオカが身近な存在であったことなどが紹介された。

タピオカ粉クレープ
「タピオカ粉入りクレープ、タピオカ添え」 (撮影/柳田あや)

ブラジルで最もポピュラーな「タピオカ」の食べ方のひとつが、タピオカ粉をクレープ状にして焼き、好きな具材を挟んで食べるスタイルだ。

ブラジルの北部や北東部では日常的に食べられていたものが、近年、グルテンフリーのダイエット食として南東部の都市部でも注目されている。おしゃれな青空市やファストフードなどで売られている。

次に紹介されたのは、南部のイタリア移民の多い地域でデザートとして食べられている、タピオカパールを甘いワインに漬けた「サグー」。

ブラジル南部ではタピオカパールをワインに入れた「サグー」がデザートでよく食べられている(撮影/麻生雅人)

「日本でもアルコール飲料にタピオカを入れたメニューが少しずつ出てきていますが、正直美味しいものに出会えていないので、ぜひ体験してみたいです」とは奈緒さん。

さらに、今回の「今年の一皿」にノミネートされた「チーズグルメ」と「発酵食」に関連して、タピオカとチーズを組み合わせたブラジルの国民食「ポンジケージョ(チーズパン)」や、キャッサバ芋の絞り汁を発酵させて作られる「トゥクピー」という調味料も紹介され、タピオカが持つ可能性にも言及した。

粒状のタピオカを、チーズやミルクなどと混ぜて練ったものを揚げた「ダジーニョ」が紹介されると、登壇者からは食べてみたい! との声が飛んだ。

「外はカリカリ、中はもちもち。きっと日本人も好きなはず」(麻生)

ブラジルの人気レストラン「モコトー」のダジーニョ(撮影/麻生雅人)

多様なブラジルのタピオカ料理が、近いうちに日本のタピオカ店に登場する日も近いかも!?

ブームだけでは終わらない今後のタピオカの可能性を感じる受賞式となった。

(文/柳田あや)

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