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ブラジルの新型コロナウイルス感染による先住民族の死者数、500人を超える

7月14日、ブラジリア、国会議事堂前。ボウソナーロ大統領の弾劾要求の提出に合わせて行われたデモ参加した先住民。手中にはブラジル連邦共和国憲法。マスクには「ボウソナーロ大統領は退陣せよ」のメッセージ(写真/Gabriel Paiva)

ブラジルにおける新型コロナウイルス感染症による死亡者のうち、7月14日(火)、先住民の死亡者が501名になったと「オ・グローボ」が報じている。

先住民族の権利保護団体であるブラジル先住民族連合(APIB)によると、1日あたり平均で4人以上が死亡しているという。

発表によると、州別では最も犠牲者が多いのはアマゾナス州(178人)で全体の35%を占めており、パラー州(83人)、マラニョン州(50人)、マットグロッソ州(48人)、ホライーマ州(47人)、アクリ州(20人)が続く。

組織、先住民族の保護地区や各自治体の保健局などから同連合が収集したデータによると、国内で現在までに14,793人の先住民が感染しているとのこと。

アマゾナス州内のソリモンエス川上流域に居住するコカマ族が最も新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、次に死亡者数が多いシャヴァンテ族の約2倍となっている。

ブラジルには305の部族があり85万人の先住民が存在しているといわれている。APIBによるとこのうち8万1,000人が危機的な環境下にあるとしている。

また「オ・グローボ」は、ブラジル保健省の傘下機関である先住民保険特別局(SESAI)が現時点(7月14日)では先住民の感染者数は10,130人、死亡者は209人と発表しており、APIBの調査より約2.5倍少ないと指摘している。これは、SESAIのデータは都市部など先住民保護区以外に居住する先住民が考慮されていないためだという。

7月8日にはジャイール・ボウソナーロ大統領が、新型コロナウイルス感染のパンデミック下において先住民の保護に取り組む法案に拒否権を発動したことが報じられている。大統領が拒否した項目には、先住民たちの居住地に、飲料水、基本的な食糧を詰めたバスケット、インターネットのインフラ整備、衛生用品や清掃用品などをサービスする政府の義務などがあった。

この法律では、先住民、奴隷制があった時代に逃亡した黒人たちが隠れ住んだ里の子孫たち、漁師、その他伝統的な暮らしを行っている人々は、「存在が極度な脆弱性を持つグループ」と位置づけられ、公衆衛生上、緊急事態がおこるリスクが高いとしている。

7月15日(水)の20時に「オ・グローボ」、「G1」、「エシトラ」、「フォーリャ・ヂ・サンパウロ」、「UOL」、「エスタード・ヂ・サンパウロ」 によるメディア連合が各紙で発表したデータは以下。

累計感染者    1.931.204人 (7月13日: 1.931.204人)
新規の感染者    39.705人 (7月13日: 43.245人)

累計死亡者    75,523人 (7月13日:  74,262人)
新規の死亡者      1,261人 (7月13日:    1,341人)

(文/麻生雅人)

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