手作りチーズの国内コンテスト、第8回ブラジル・チーズ・アワード開催される

2025年 07月 15日

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エスピリットサント州のチーズ生産者。エスピリットサント州は金メダル3つを獲得した(撮影/麻生雅人)

7月11日(金)~13日(日)まで、サンタカタリーナ州ブルメナウ市で第8回ブラジル・チーズ・アワードが開催された。現地メディア「グローボ・フラウ」、製品を出品した各州政府や、ミナスジェライス州農牧畜研究公社(EPAMIG)などの支援団体などが伝えている。

2014年に始まったブラジル・チーズ・アワードでは、ブラジル全国で生産される手作りチーズの中から優良な製品を表彰するほか、講演や、多岐にわたる生産チェーンの関係者との交流などが行われる。

ブラジル地理統計院(IBGE)の国勢調査(1997年)によると、国内のチーズ生産者は17万5000人で、うち14万人は家族経営によるチーズ工房で、トータルで年間220トンのチーズを製造している。

今年の「ブラジル・チーズ・アワード」では、ブラジル全土の320以上の都市から618人の職人生産者が集まり、2,291個のサンプルが出品され、140人の乳製品専門家による評価を受けた。

カテゴリーは以下の4つ。

伝統的な手作りチーズ: 伝統ある地域で、伝統的な地域のノウハウを使用して生産されたもの。

生乳による手作りチーズ: 原産地と生産量に関する特定の基準を遵守して生乳で生産されたもの。

低温殺菌牛乳による手作りチーズ: 原産地と量に関して同じ要件を満たす低温殺菌牛乳で作られたもの。

上質チーズ:これまでの定義に当てはまらない、差別化された技術を駆使したチーズ。

合計364の製品が金メダルを受賞した。

チーズ作りの伝統を持つミナスジェライス州はメダルの33%を占めた。パラナ州は14%で2位、サンタカタリーナ州は10%で3位だった。

ミナスジェライス州は、2024年に「ミナスジェライスにおける手作りミナスチーズ製造の伝統技法」がユネスコの無形文化遺産として登録されている。

地域別のデータでは、ミナスジェライス州を含む南東部はメダルの49%を占め、パラナ州とサンタカタリーナ州を含む南部が31%で2位、北東部は11%で3位となった。

金メダル受賞製品のなかからさらに高評価な製品(生産者)をリストアップする「チーズマイスター代表(セレソン・ケイジスタ)」では、チーズ9製品、バター1製品、ドーシジレイチ(ミルクと砂糖を煮詰めた,ミルクジャム風のお菓子)1製品が選ばれた。

<チーズマイスター代表(セレソン・ケイジスタ)>

「ドーシ・ジ・レイチ・フロール・ジ・マンジェリカォン」生産者:ガブリエラ・ラ・ポルタ、工房:ケイジャリーア・ラ・ポルタ(ベウミロ・ブラーガ/ミナスジェライス州)

「マンテイガ・ダ・テーハ」生産者:ラリッサ・マリアーナ・アウヴィス・ドス・サントス、工房:セルタォンラッキ(クルゼッタ/リオグランジドノルチ州)

「ケイジョ・マトゥラード 60日熟成」生産者:ルカス・コヘア・フォンセッカ、工房:ケイジャリーア・ファゼンダ・ブリッチス(ラルゴ・ダ・プラッタ/ミナスジェライス州)

「ケイジョ・アラゴア・フマセ」生産者:マルシオ・マルチンス・ジ・バホス、工房:ファゼンダ2M(アラゴア/ミナスジェライス州)

「グラニート」生産者:エリコ・コウヴァ、工房:ペ・ド・モーホ(カブレウーヴァ/サンパウロ州)

「ケイジョ・テーハ・コラージェン(ベツマル・チーズ)」生産者:エリザベッチ:マリア・ジョアーナ・スコーベル、工房:ケイジョ・コン・ソタッキ・コメルシオ・イ・イヴェントス・エリレッリ(パウロ・ロペス/サンタカタリーナ州)

「#23」生産者:ギリェルミ・アランチス・ホーザ・マシエウ、工房:GOA(アイウロウカ/ミナスジェライス州)

「ケイジョ・ジ・コアーリョ・ダ・ヴォヴォー・ネッタ」生産者:イングリッジ・マヤラ、工房:ラチシーニオ・ヴォヴォー・ネッタ(ジャグアリバーラ/セアラー州)

「ケイジョ・ジ・マンテイガ・トラジショナウ」生産者:ブルーノ・バチスタ・ジ・ファリーア・ネト、工房:ケイジャリーア・ファゼンダ・ホリーニャ(セーハ・ネグラ・ド・ノルチ/リオグランジドノルチ州)

「ペレージャ」生産者:マリア・ジョゼー・ガルシア・カパネッマ・ヘイス、工房:ダ・セーハ(パパガイオアス/ミナスジェライス州)

「ケイジョ・ピッポ」生産者:ナタウ・コミン、工房:ラチシーニオス・ピッポ(ノヴァ・ホーマ・ド・スウ/リオグランジドスウ州)

(文/麻生雅人)