トランプ関税の影響受け、ブラジル産マンゴーの米国への輸出はすでに停止

2025年 07月 22日

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ブラジルのスーパーマーケットに並ぶバイーア州産マンゴー(撮影/麻生雅人)

生産者らによると、ブラジルから米国へのマンゴーの輸出はここ数日停止されているという。現地メディア「G1」が伝えている。・

彼らによれば、今回の輸出集団は、ドナルド・トランプ政権が8月からブラジル製品に課す予定の50%の追加課税を受けてのことだという。

この出荷停止は懸念を引き起こしている。米国へのマンゴーの出荷は来月(8月)からはじまり10月まで続くためだ。マンゴー栽培の中心地である北東部では、この業界の倒産リスクを懸念する声もささやかれはじめている。

ブラジル果物・加工品生産輸出業者協会(Abrafrutas)によると、マンゴーはブラジルから米国に輸出される主要な生鮮果物だという。オレンジも米国に輸出されている主要産品の一つだが、オレンジの場合は主にジュースの形で販売されている。

連邦政府によると、ブラジルの果物で最も輸出量が多いのがマンゴーであり、農牧供給省・貿易国際関係事務局(SCRI)によると、2024年には3億5000万米ドル以上のマンゴーが、主に欧州連合、米国、英国に輸出されたという。

同協会によると、入手可能なデータがある最新の期間である2023年には、ブラジルのマンゴー生産量の15.1%が国際市場で販売されている。

「米国に出荷している輸出業者は、論理的に、国内市場や欧州市場に挑戦することになると思いますが、最終的には誰にとっても悪い結果なるでしょう。皆が沈んでしまう絶望的な関係になるでしょう」と、ペルナンブッコ州とバイーア州に拠点を置き、ヨーロッパ市場にマンゴーを輸出する企業アグロダンの担当者パウロ・ダンタスは語る。

ダンタス氏によると、米国向けの出荷は現時点ではまだ始まっていないものの、生産者の間にはすでに“絶望感”が広がっているという。「この時期を逃してしまうと、多くの企業が倒産すると予想されます」。

関税の引き上げはまだ発効されていないが、マンゴー業界は政治的な解決に期待している。

「ブラジルの果物生産者は米国への製品の輸出を継続したいと考えており、米国の輸入業者も小売り商品の供給を補うためにブラジルの果物に頼りたいと考えているのは確かで、双方に利益のあるビジネスモデルとなっているのですが」とダンタス氏は述べた。

(文/麻生雅人)