検事総長、警察の銃撃によるセネガル人露天商死亡事件の捜査再開を指示
2026年 05月 21日
パウロ・セルジオ・ダ・コスタ・サンパウロ州検事総長は、2025年4月にサンパウロ市中心部ブラス地区で行われた警察による作戦行動の際、軍警察官により射殺されたセネガル人の露天商で難民のンガニェ・ムバイ(Ngange Mbaye)氏の死亡事件について、捜査の再開を命じた。
この事件は、今年2月、検察側自身の要請を受けて司法当局が捜査を終結していた。終結を求めた意見書の中で、担当検察官ルーカス・ジ・メロ・シャエフェル氏は、警察官が「正当防衛のもとに行動した」と主張していた。
ムバイ氏は、別の露天商の品物とともに自身の商品を守ろうとする中で、警察官による職務質問を受け、腹部を銃撃された。事件当時の警察の報告書によると、ムバイ氏は商品押収に抵抗し、鉄棒を使用して警察官を負傷させたとされ、その直後に警察官が発砲したという。
当時、検察官は次のように記している。
「ンガニェ・ムバイ氏が外国人であったとしても、鉄棒のような鈍器を手にした人物が、頭部や胴体に向けて繰り返し強い力で打撃を加えることが、世界のどこであれ容認されるとは到底考えられない。ましてや、その攻撃が職務を正当に遂行している国家の治安当局に向けられた場合、その行為はさらに重大で、強く非難されるべきものである」
<反響>
警察の職務執行の様子と発砲の瞬間を捉えた動画がSNS上で拡散し、当時大きな反響を呼んだ。警察暴力に対する抗議デモが行われ、国内外でさまざまな声が上がった。
セネガルのヤシン・ファル・アフリカ統合・外務大臣は、露天商ムバイ氏の死亡についてブラジル政府に説明を求めた。声明で同大臣は、在外公館と連携し「この悲劇的な死の状況を解明する手段を探る」と述べた。
移民問題や暴力事件を追跡するNGO「オリゾン・サン・フロンティエール」は、ムバイ氏の死を「ブラジルでセネガル人市民に対して新たに起きた犯罪」と非難し、ブラジルを「慢性的な暴力が続く地域」と指摘した。
ブラジル人権・市民権省は、軍警察監察局、検察、サンパウロ州公安局に対し、「ムバイ氏の死に至った状況に特に留意した厳格な事実調査を行い、関係者の責任追及と同様の事案を防ぐための措置を講じるよう」要請した。
黒人運動の団体も、この事件を米州機構(OEA)傘下の米州人権委員会に訴えている。
ムバイ氏が死亡したのは、サンパウロ市役所とサンパウロ州政府の間で締結された協定「オペラサォン・デレガーダ(権限委任制度)」に基づいて行われた取り締まり中の出来事だった。この制度は、軍警察官が非番の時間帯に、露天商の取り締まりなど市の監視業務に従事することを認めるものだ。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




