フラヴィオ・ジノ判事、映画『ダークホース』捜査資料の機密扱いを全面解除
2026年 09月 14日
【ブラジリア 9月13日】 ブラジル連邦最高裁判所(STF)のフラヴィオ・ジノ判事は13日(日)、サンパウロ州警察が押収した映画『ダークホース』の制作資金をめぐる捜査資料について、すべての機密扱いを解除すると決定した。捜査は、ジャイール・ボウソナーロ元大統領の半生を描く同作の制作費に、議員歳費(連邦議会の予算枠)が不正流用された疑いを中心に進められている。
ジノ判事は決定書で、サンパウロ州公安局に対し、6月にサンパウロ州文民警察が押収した携帯電話から抽出された“すべての生データ”を連邦警察(PF)に送付するよう命じた。これらのデータの鑑定は州の捜査機関が担当していた。
<メンドンサ判事の判断を引用し、機密解除を正当化>
ジノ判事は今回の決定にあたり、アンドレ・メンドンサ判事が9月1日に行った判断を引用した。メンドンサ判事は、旧マステール銀行の元オーナーで現在収監中のダニエウ・ヴォルカーロと、アレシャンドリ・ジ・モラエス判事との間で交わされたメッセージの機密扱いを解除していた。
ジノ判事は次のように述べた。
「現在、判例の流れが変わりつつあると判断する。合議体の原則に従い、私もこれに適応すべきだ」
さらに判事は続けた。
「同一の捜査記録、または並行する捜査で同様の状況にある者は、捜査開始段階から同じ扱いを受けるべきだ。これが法の下の平等を守ることにつながる」
ジノ判事は、捜査資料について 「広範な公開を行うべきだ」と強調し、氏名、資金の流れ、口座情報、WhatsAppの会話など、関連するあらゆる情報を公開対象に含めるべきだとした。
<『ダークホース』と公的資金>
10日(木)、ジノ判事は連邦警察による、映画制作への公的資金流用疑惑を解明するための全国規模の強制捜査作戦「メイクアップ作戦」を承認し、サンパウロ州、リオデジャネイロ州、セアラー州、連邦直轄区で49件の家宅捜索令状が執行された。
捜索対象には、マリオ・フリアス連邦下院議員(元文化特別局長、映画の脚本家の一人)や、映画制作会社のカリーナ・ガマ代表が含まれていた。
ジノ判事が担当する捜査は、連邦監査院(CGU)が提出した報告書を基に開始されたもので、フリアス議員が 200万レアル(約6,000万円) の議員歳費を、カリーナ・ガマ名義の2団体──「ブラジル文化促進機構(ICB)」と「全国文化アカデミー(ANC)」──に不正に割り当てた疑いが指摘されている。
連邦監査院の調査では、例えばフリアス議員がICBのスポーツ社会事業に割り当てた歳費について、事業の実施が確認できないケースが複数見つかった。連邦警察は、これらの資金が映画『ダークホース』の制作費に流用された疑いがあるとみている。
アジェンシア・ブラジルはマリオ・フリアス議員の事務所にコメントを求めているが、現時点で回答は得られていない。カリーナ・ガマへの連絡も試みている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




