ルーラ陣営、Metaを米州機構に提訴へ 選挙干渉の疑いを指摘
2026年 10月 15日
【ブラジリア 10月14日 17:05】 ブラジル連邦共和国大統領選挙でルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ氏(PT)の再選を目指す陣営は、同国選挙への干渉を理由に、Meta社を米州機構(OAS)へ提訴する方針を示した。
「今回もまた、選挙への外部からの干渉を訴えることになります。大統領選では、ソーシャルメディアがどれほど大きな影響力を持つか、私たちは理解しています」と、陣営の調整役を務めるカミーロ・サンタナ氏は14日(水)に述べた。
MetaはInstagram、Facebook、Threadsのほか、メッセージアプリのWhatsAppを運営している。同社は予備選の段階から、意思決定の透明性を欠いているとの批判を受けてきた。
「国家データ保護庁(ANPD)だけでなく、米州機構(OAS)など国際機関にも正式な申し立てを行っています」とサンタナ氏は説明した。OASへの提訴は、ルーラ氏本人の要請によるものだという。
サンタナ氏によれば、ルーラ陣営は12か国の政党や民主主義擁護団体と会合を開き、今回の訴えを国際的に広めるため協議した。アルゼンチン、英国、チリ、米国、スペイン、モザンビークなどの団体が参加した。
「ビッグテック、特にMetaによる選挙への干渉を容認することはできません」とサンタナ氏は強調した。
同日早朝、ルーラ陣営はMetaのプラットフォーム上で投稿の配信が制限されていると判断し、選挙高等裁判所(TSE)に申し立てを行った。
異なる基準
14日(水)、複数のユーザーがAIの応答に差があると報告した。アジェンシア・ブラジルも検証を行った。
「Lula」と「13」という語を使って画像生成を依頼したところ、AIは「ご依頼のパンフレット画像を生成できませんでした」と回答した。
同じ依頼を「Flávio 22」で行うと、「Eleições 2026」「Vote Flávio 22」「Juntos por um futuro melhor」などの文言が入ったポスターが生成され、さらには架空の政権公約まで表示された。
サンタナ氏は、ルーラ氏のInstagramアカウントで数時間にわたり、リポストやストーリー作成のボタンが利用できなくなったことも明らかにした。
報道陣はMetaにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
政治的影響
TSEの2026年決議(23.755号)は、AIを提供するアプリケーション事業者に対し、候補者や政党を「ランク付け、推薦、示唆、優先表示」する行為を禁じている。
同決議はさらに、AIが「意見表明、選挙上の好みの提示、投票の推奨、政治的有利・不利の付与」を、直接・間接を問わず、回答の自動生成を通じて行うことを禁止している。
AIガバナンス専門家のエットーレ・アルピニ氏は、企業が特定候補を意図的に優遇したと断定することはできないとしつつ、「仮に技術的な不具合であっても、政治的影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。また、こうしたツールの検証責任は開発企業にあり、Metaはなぜ不具合が起きたのか説明する必要があると述べた。
アルピニ氏はさらに、今回のような事例を踏まえ、ブラジルはAIを評価・監督する独自の能力を構築する必要があると強調した。
「規制が必要ですし、研究者、ジャーナリスト、機関が技術を理解し、ブラジルの文脈でどのように機能するか検証できるようにしなければなりません。こうしたシステムを開発する企業の説明だけに依存するわけにはいきません。これはデジタル主権の問題です」と述べた。
基準の欠如
6月には全国ジャーナリスト連盟(Fenaj)が、独立系メディアの関連アカウントが削除されたと訴えた。9月には、Metaがルーラ氏の再選キャンペーンの広告アカウントを理由の説明なく停止した。
ビッグテックの不当行為を告発する団体「CTRL+Z」が実施した調査では、Metaによる制限やアカウント停止が1,000件以上記録されており、そのうち22%は理由の説明がなかった。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




