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地方でも成長するブラジルのクラフトビール市場

イクウチ

2014年に大きな成長を見せたブラジルのセルヴェージャ・アルテザナウ(クラフトビール)市場。サンタカタリーナ州にあるビール職人養成学校「ビール・モルツ特別学校」のカルロ・エンリコ・ブレッシアーニ校長によると、ブラジルにおける同年のクラフトビール市場の成長率は20%だったという。

2013年以前には南部や南東部に集中していたクラフトビールの酒蔵は、ブラジル全土で新規参入者が増えたこともあり、各地に波が広がっている。

北東部ペルナンブッコ州でもこの3年(2014~2016年)で、手作りの生ビールやびん入りビールを好む消費者が増加、地方独特の産物を使ったビールもどんどん作られているという。地元紙「ジアリオ・ジ・ペルナンブッコ」が伝えている。

2016年1月にも、ヘシーフィ市北部のグアビラーバに新しいクラフトビールのブランド「イカウチ」が誕生した。同ブランドを創業したのはジオゴ・シアラジアとアンドレトゥルトン。ベルギーとアメリカ合衆国のビールに影響を受け、材料も両国から輸入しているという。

製造にあたり、ヨーロッパでビール作りを学んだビール職人カチア・ジョルジを招いている。当初はペルナンブッコ州内のマーケットで生ビールとして販売、軌道になったらびん入りを発売、輸出も視野に入れてるという。

「ジアリオ・ジ・ペルナンブコ」によると現時点でヘシーフィ市の国産クラフトビール市場は成長をみせており、ボア・ヴィアージェンにあるビール専門店「メストリ・セルヴェジェイロ・ポント・コン」では、輸入ビール30%に対して国産ビール70%が置かれているという。

「レアル安も国産品が増えている後押しになっています。『デブロン』、『カプンガ』というブランドも人気です。今後はホッタ66が作る『エストラーダ』、『ドゥヴァリア』、そして『イカウチ』もプッシュしたいとおもいます」と同店の店主ニュートン・セーザル・ネトとマヌエラ・キルツネルはいう。

ニュートン氏はブラジルクラフトビール協会(Abracerva)のデータとして、2015年のクラフトビール市場は2014年同様、20%の成長を見せたという。

「昨年の時点ではヘシーフィには地元産のクラフトビールが生で飲めたり販売するパブはありませんでした。それが出来てから、人気を博しています」(ニュートン・セーザル・ネト)

同店ではクラフトビールの生ビールは平均7~8レアル、びんビールは16~18レアルだという。

ヘシーフィ市北部のノルチ・ミゲウ・アハアイス・ジ・アレンカール大通りには、クラフトビール作りを目指す愛好家やクラフトビールファンが集う「シブリュ」というスポットがあり、ビール職人の養成も行っているという。

同州のクラフトビールのブームは首都ヘシーフィだけにとどまっているわけではない。

カルアルー市では、銀行員で社会学者シダルタ・ドス・サントス氏(40)が自家製ビール「ドッキ・セルヴェジェイロ」を製造しており、現在、販売も考えているという。ビールの中には 、「ドゥッキ」というブランドや、親類がやっている音楽バンドに捧げた「ジアボロ・アンジェウ」という名のビールや、趣里で言えばアメリカン・ペールエール、ヴィットビア、ラガー、インディアン・ピルゼン・ラガーなどがラインナップされている。

「自家製ですが、現在、月に300リットル製造可能です。製造の機械は舅に借りた工具箱ひとつで作りました。工具は全部壊れてしまいましたけれど、舅はビールが好きなので怒りませんでした」(シダルタ・ドス・サントス)

いいビールを作る秘訣は、衛生面にこだわることだと、シダルタ・ドス・サントス氏はいう。

「でないと菌が入ってビールが死んでしまうのです」(シダルタ・ドス・サントス)

(文/麻生雅人、写真/reprodução/facebook/EKÄUT Cervejaria Artesanal)

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著者紹介

麻生雅人 Massato Asso  ブラジル文化の紹介、文筆、TV・ラジオ番組、ブラジル関連催事企画広告監修、編集、音楽選曲。Mega Brasil編集長。2001年以来、年に数回渡伯してブラジル各地の食文化、トレンド、伝統芸能などを調査。

編著に「A Boa Vida」(三越伊勢丹ホールディングス)、「A Boa Vida 2015」(三越伊勢丹ホールディングス、※サイトのみ)、「ブラジルカルチャー図鑑(共同編集:山本綾子)」(スペースシャワー・ブックス)、「ブラジリアン・ミュージック」「サンバ」(以上シンコー・ミュージック)など。「るるぶ ブラジル・アルゼンチン」、「R25」、「アウテルナチーヴァ」など旅行ガイド、雑誌、ブラジル音楽CD解説などにも執筆。

出演は「ボサノバ最高の詩人モラエス」(NHK-FM 13年11月)、「日曜喫茶室」(NHK-FM 14年5月)、「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行」(NHK-FM 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行2」(NHK-FM 15年6月)、「今日は1日ブラジルまるかじり三昧」(NHK-FM 16年7月)、「ノンストップ」~<そもそもシュラスコとは何?>(フジテレビ 16年8月)など。

講演は「第一回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年2月)、「第二回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年8月)、「ブラジルはなぜカラフルなのか」(パナソニックセンター、16年8月)、「カラフルでおいしいブラジル」(LunchTrip 16年10月)、「ブラジル食品飲料市場の最前事情 国内地方産物への注目とQOL志向の高まり」(日本ブラジル中央協会 17年1月27日)、「カシャッサを楽しむ会」(東京カシャッサ倶楽部 17年6月3日)、「OTOMANA×トラモンティーナ ブラジル大使館での文化体験と本場シュラスコ料理」(三越伊勢丹・駐日ブラジル大使館 17年7月19日)、「カシャッサの日を祝う会」(駐日ブラジル大使館 17年9月13日)など。 )。

最新刊は「おいしいブラジル」(スペースシャワー・ブックス、16年)