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リオ市衛生局、Rock in Rioのフードコーナーから食材押収。大量廃棄か!?

ホベルタ・スドブラッキ

9月15日から開催中のRock in Rio(以下「RiR」))は、オリンピック後のリオでジャネイロ市(以下「リオ市」)においては重要な観光資源だ。主催者側は出演アーティストの選定だけでなく、会場自体にも集客力を持たせるべく工夫を凝らしている。

その一つがフードコーナー、「グルメスクエア」。気鋭の料理人たちがこだわりの食材を使って一味違った「軽食」を提供することで注目を集めている。

そのグルメスクエアで別の意味で注目を集める「事件」が起こった。

グローボ系ニュースサイト「G1」が9月17日づけで伝えたところによると、リオ市衛生局が各フードスタンドの視察・検査を行い、2軒のスタンドからリオ市での流通認可を受けていない食品を発見し、それらをすべて押収したという。

うち1軒は、2015年、南米最高の女性シェフに選ばれたことがあるホベルタ・スドブラッキ氏が開くホットドックスタンドだった。

このスタンドはフードコーナーの目玉と目されていたが、メイン食材をすべて押収されたため、スドブラッキ氏はイベントの期間途中での閉店を決めた。

スドブラッキ氏によると、押収された食材は全部で160キロで、チーズとリングイッサ(ブラジルでポピュラーな燻製しないソーセージ)がそれぞれ80キロずつだという。

同氏は北東部ペルナンブーコ州で検査・認証を受けた小規模生産者が製造する商品を空輸し、会場まで細心の注意を払って運んできたもので、衛生上全く問題はないものだと主張している。同氏は今年1月までリオ市内でレストランを営んでいたが、同じ生産者からの食材をずっと使ってきて問題は起こらなかったとも主張している。

同氏はまた、この食材押収により発生する損失は全部で40万レアル(約1400万円)と見積もっている。内訳は仕入原価が20万レアル(約700万円)、RiRで得られたであろう逸失利益が20万レアル(約700万円)だという。検査の時点でスタンドの前に並んでいる客が100人、店内にはスタッフが5人いたが、それらの人々に対する配慮もなく15人の検査官は非常に乱暴な検査を行ったとして検査官を糾弾している。

食材を捨てないでほしい、というスドブラッキ氏の訴えに対し、捨てないと言っていたリオ市衛生局だったが、押収した食材の入ったトラックから食材が順々に廃棄処分機に放り込まれていく映像がSNSにアップされている。衛生局はこの映像で処分機に食材を投げ込んでいるのは衛生局の職員ではないと主張している。

スドブラッキ氏は、小規模生産者が誇りをもって作っている自信作を捨てるとはどういうことか、食べるものがなくて毎日何万人もの人が苦しんでいる現代に、役所のハンコが一つ足りないというだけで大量の食材をごみとして扱うのか、といった問題提起をテレビやSNSなどを通じて行っており、一部のシェフの賛同を得ている模様だ。

一方、リオ市衛生局は、自分たちの役割は市民の食を危険から遠ざけることであり、今回の食材押収は妥当な措置だったと主張する。

ブラジルの食品衛生法制では生産地と同州内での消費であれば州の安全検査・認証だけで問題ないが、消費地と生産地の州が異なる場合は連邦の規格に合った「SIF認証」をとる必要がある。

今回スドブラッキ氏のフードスタンドで提供されようとしていたチーズとリングイッサは生産地の州での認証はとっていたものの、SIF認証がなかったため押収の対象となった。

また、衛生局によると、1月まで営業していたスドブラッキ氏のレストランで局の検査官たちが生産地の記録がない動物性食材(チーズ、リングイッサもここに入る)やリオ市内で流通・提供が可能な認証「SIF」が取れていない食材に出くわすこともあり、たびたび局の処分を受けていた、とのことだ。

世界的に著名なシェフであるスドブラッキ氏が食材を購入することにより、良質な製品を生産する小規模生産者を応援してきたことは事実だ。一方、生産者の顔も知らない、製造工程も見られない消費者にとって認証は安全性を判断する際に非常に重要な情報となる。ハンコだけの問題、で済ませてよいレベルの話ではない。

美食の追及と食の安全確保。どちらが先に来るべきか。双方の主張はなかなかかみ合いそうもない。

(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Globo News」/TV Globo)
写真はTVグローボより廃棄される食品。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで

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