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歴史的大敗によりブラジル、ベスト4で散る!この敗戦から立ち直ることはできるのか?

ブラジリア サポーター

フレッジがボールを持つと大ブーイング。ブラジルのスタジアムではおなじみの放送禁止用語を使っての最大級のヤジを相手選手ではなく味方選手に送っていたのだ。そして、ドイツがボールを持つと、オーレ・オーレの大合唱。こんな光景、誰が想像しただろうか?

私が率直に感じたのは、これが現実、ドイツとブラジルにはこれだけの実力差があったということだ。

これは、ネイマール、チアゴ・シウヴァがいないなんていう問題ではない。ブラジルというチーム力の問題だ。

今まで、サントスとバルセロナが戦った2011年のクラブW杯の決勝戦ほど衝撃を受けた試合はなかった。

この時、ブラジルサッカーはヨーロッパのサッカーに比べて、圧倒的にスピードが足りないと感じた。現在のサッカーの王道はヨーロッパだ、と思わされたが、その後、ブラジルセレソンは、2013年のコンフェデ杯をイタリアを破り、スペインを3-0で破り優勝したのだ。

セレソンの選手たちの多くはヨーロッパでプレーしているせいもあり、その辺のところは克服できたかと思われたが…。

しかし、現実はそうではなかったのだ。この現実をどう受け止めればいいのだろうか。あまりに現実は厳しすぎる。

この試合を受けて、ブラジル現地では、今回のW杯は思い出したくない最悪の大会になってしまったのではないだろうか。世界中に恥をかくだけの大会に…。

今まで、準々決勝まで、必死に積み上げてきたものが一気に崩れ落ちてしまったようで、残念でならない。翌日の準決勝のもう1試合、オランダ対アルゼンチン戦にも、多くのブラジル人が観戦に行っていたはずだが、セレソンのカナリアイエローのシャツを着た人は極端に少なかった。それはそうだろう。恥ずかしくてそんなもの着れないだろう。

前回の地元開催の最終戦、ウルグアイに1-2で敗れ優勝を逃した試合を、マラカナンの悲劇と呼び、後世まで語り継がれている。しかし、今回の試合は、それをはるかに上回るほどの歴史的屈辱的な試合として後世語り継がれることになるだろう。

もしかしたら、またユニフォームの色を変えることになるかもしれない。

とにかく残念な結果だが、これが現実だ。現実を正視し、克服していくしかないだろう。

そして、何とも残酷なことだが、ブラジルにはもう1試合、3位決定戦が残されている(7月12日)。

この試合、ブラジルセレソンにとっては正念場だ。ここでいい試合をすれば、国民はある程度は見直してくれるだろう。しかし、また同じような試合をしたら、それこそブラジル国民から総スカンを食らうことになるだろう。

相手はオランダだ。ここでもう1試合戦えることはチャンスでもある。最後にブラジルセレソンの意地を見せてほしいものである。

(文/コウトク、写真/Valter Campanato/Agência Brasil)
7月11日、到着したセレソン・ブラジレイラに声援を送るサポーターたち

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