異常渇水のブラジルで…生産から加工まで、日用品に関わる水の使用量統計が発表される

2014年 12月 14日

製品に使われる水の量

今年(2014年)の異常渇水で、ブラジルでは節水が日常生活に浸透してきた。

節水を呼びかける政府広報、双六で子供たちに節水を学ばせる学校、節水のアイデアをメディアで語るミスブンブン候補者たち等々の取り組みにより、節水への意識が徐々に高まってきている。

そんな中、TVグローボは水の使用量についての衝撃的な統計を紹介している。

12月13日、TVグローボはニュース番組「ジョルナウ・ナシオナウ」で、日用品が製品になって家庭に届くまでに使われた水量の試算を公表した。

専門家によると、ブラジルで消費される水の70%は農産物・畜産物の生産・加工過程で発生しているという。

国際水資源使用状況調査機関の調査統計によると、栽培過程、加工工程を経て食卓に上がるまでの使用水量は次の通り。

コーヒー1杯とパン1個:90リットル
ビール1杯:74リットル
トマト1キロ:215リットル
砂糖1キロ:1,780リットル
コメ1キロ:2,500リットル
鶏肉1キロ:4,325リットル
牛肉1キロ:15,400リットル
食器を洗う水:5分で340リットル

一方、衣料品では綿など天然繊維のシャツ1枚につき2500リットルが使用されている。柄物の衣料品となると、繊維の染色の過程で大量の水を使うため、さらに使用量は増える。

染色工場の管理者は「以前は複数色の繊維を染めるには1色ごとに水をきれいなものに変えていたが、節水が始まった今では1つの工程で使った水を別の工程で再利用することが義務付けられている」という。

また、ブラジルでは「ア・キロ」、「ポル・キロ」といった量売りビュッフェ形式の食堂・レストランでの食べ残しによる食糧廃棄が多いといわれているが、この異常渇水を機に食糧廃棄に対する問題意識も高まるかもしれない。

(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Jornal Nacional」/TV Globo)
TVGloboのニュース番組「ジョルナウ・ナシオナウ」は日本ではグローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中