サンパウロのプリン専門店、クリスマス需要で大わらわ
2014年 12月 22日TVグローボによると、ブラジルのクリスマスの食卓で最も需要が高いデザートのひとつが、プヂン・ヂ・レイチだという。コンデンスミルクで作ったブラジル風の固焼きプリンだが、「(Receita da Vovó)おばあちゃんのレシピ」として各家庭で作られる代表的な菓子だ。
そんなプヂン・ヂ・レイチだが、近年では時間がなかったり、料理が好きではないなどの理由で家庭で作らず外で買う人も増えている。TVグローボは12月21日、番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴーシオス」で、そんな世相をとらえた個人事業主の取り組みを伝えている。
2012年、パティシエと広報専門家の女性2人が組んでサンパウロにプヂン・ヂ・レイチのみを扱う店「フォルマ・ヂ・プヂン(Fôrma de Pudim)」を出した。広報担当のフェルナンダ・ナデールさんは言う。
「クリスマスイブなどは店の前には大行列ができています。多くの人が我々の商品を買い求めてくれるので、この時期の売れ行きは上々です」(フェルナンダさん)
2人の事業主は店を始めるにあたって60万レアルを投資した。お金はリフォームと35平米のキッチンの設備を整えるのに使った。
ここのプヂンは洗練された味が人気で、原材料にはイタリアのピスタチオ・ペースト、ベルギーチョコレートなど一級品を用いている。舌の肥えた常連客に1キロ77レアルで販売している。
事業主でシェフのダニエラ・アリペルチさんはプリンづくりの秘訣をこう話す。
「愛をこめて作ること、辛抱強さ。なぜならすべての工程が手づくりだから。たとえば原材料を混ぜるのにもミキサーは使わず、手で混ぜています」(ダニエラさん)
この店では月に800個のプヂンを作り、販売している。利益は年間で70万レアルが見込まれるという。
12月は最も売れ行きがよく、このひと月だけで2000個売り上げる。売れ筋はクルミ入り、ピスタチオ入り、ココナッツ入りの商品だという。
ここのプヂンが特殊なのは、焼いた時の型に入れたまま販売するところだ。型の底にはカラメルソースが入っているが、食べる直前、型から出した瞬間にソースがプヂン全体にかかる仕掛けになっている。
(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Pequenos Empresas e Grandes Negocios」/TV Globo)
TVGloboの経済ニュース番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴシオス」は日本ではTVグローボインターナショナルで放送中。視聴問い合わせは03-4510-0770まで