ブラジル、失望多きゆく年と、課題だらけの来る年
2014年 12月 28日14年は結局、GDP(国内総生産)の成長率はほぼプラスマイナスゼロ、自動車の販売台数も2年連続でダウン、インフレ率もターゲット上限の6.5%を超えるかもしれず、個人消費も1ケタ前半の伸びで終わりそうだ。
新閣僚が発表した政策は経済界も好感を示しているが、いずれにしても短期間での経済回復は難しいという認識で一致しており、14年を底として15年は少しずつ上向きになることを期待したい。
ブラジルは、今まさに急成長の踊り場に差し掛かっているといえるが、すでにASEAN(東南アジア諸国連合)全体に相当する経済規模、そして自動車販売世界第4位、化粧品販売やビール消費量など多くの分野で世界上位の消費市場が生まれている。
今回の政財界を巻き込んだペトロブラスの贈収賄事件により、入札に参加できなくなる大手企業が出て来ていたり、賢くなった消費者は、価格よりも品質を重視する傾向が出てきており、15年は日本企業にとっても多くのチャンスがありそうだ。
来年は日本ブラジル外交関係樹立120周年でもあり、ぜひ日本企業のブラジルでの奮闘を期待したいところだ。
(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Eny Miranda/ GERJ)
写真は12月2日(火)、リオデジャネイロ州メジオ・パライーバ地方イタチアイア市。ジャガーランドローバーが英国外の初となる完全自社工場の礎石が公開された。依然、ブラジルに目を向ける海外企業は少なくない。右はルイス・フェルナンド・ペザォン・リオデジャネイロ州知事