これってエビジュース!? 実はブラジルの…
2015年 09月 9日ブラジルのノルデスチ(ブラジル東北部)に来て、まず驚いたのがこの得体の知れないドリンクの存在です。
赤と黒のデザインが、一見、ダイエットコーラにも似ているこの缶には、エビのデザインがあしらわれています。
商品名も「Pitú(ピトゥ)」と書いてあるだけで、何のことだかさっぱりわかりません。地球の反対側まで来るとエビをジュースにして飲む人々もいるのか、世界は広いなあ、とぼんやりと考えていました。
実際には、これはエビのジュースではなく、Pitú(ピトゥ)という会社が製造するカシャッサ(サトウキビから作られるブラジルの蒸留酒、ピンガと呼ぶこともある)なんだということが後になって分かりました。
パッケージにエビがデザインされているので、僕はなんだか生臭い感じがしてしまいまいましたが、老舗ブランドなのでそういうことを感じるブラジル人はいないのかもしれません。
Pitú(ピトゥ)は1938年に創立したペルナンブーコ州のカシャッサ製造企業です。ピトゥという社名・ブランド名の由来は、工場があるヴィットーリア・ジ・サント・アントン市で川えびのPitu(ピトゥ)が沢山採れたので、カシャッサのおつまみとして良く食べられたというところから来ています。
ピトゥのカシャッサは、ブラジル北東部で最も売れているカシャッサのブランドであり、国内では二番手に入ります。1970年からはカシャッサの輸出もしており、特にドイツへは輸出量ナンバーワンだそうです。
ブラジルを代表するカクテル、カイピリーニャはカシャッサを使って作られますが、以前、家の近くの酒屋さんで発見した「カイピリーニャ作りキット」は、Pitú(ピトゥ)のものでした。カイピリーニャを作るのに必要な物がすべて揃った箱で、中には、カイピリーニャ用のグラス、レモンを潰す杵、それに瓶に入ったカシャッサが入っています。
キットに缶入りのカシャッサが2個ついて、値段は34レアル(約1,100円)とお手頃価格。エビのデザインが入ったグラスや、専用の杵がいい感じです。日本人へのお土産として買っても喜ばれそうですね。特にブラジル好きな日本人の方には特に喜んでもらえそうです。
(写真・文/唐木真吾)