取締役が平社員に扮して現場に潜入! ブラジルでテレビ番組「お忍び上司」が話題に
2015年 12月 24日日本と同様、ブラジルでも製品リコール、不正経理、機密情報流出、リベート横行などなど、企業の不祥事は大々的に新聞紙面をはじめメディアで取り上げられる。
そして不祥事が報道されるたび、不正を指摘する“現場の声”が社内でかき消されていることが浮き彫りになる。
情報伝達網が、本来あるべき機能を果たしていないことに愕然とするのは、消費者だけでなく企業の経営陣も同じだ。この状況に企業は危機感を持ちつつも、“現場の声”を直接聞く手段の構築に苦慮している。
そんな状況にTVグローボがひとつの選択肢を示した。
同局の人気報道バラエティ番組「ファンタスチコ!」の1コーナー「シェフィ・セクレート(お忍び上司)」が、エグゼクティブと現場社員との新しい関わり方を提示して、話題を呼んでいる。
同番組の2015年9月13日、20日の放送では、ブラジル南部の中心都市ポルト・アレグリを本拠地とし全国に製品を出荷する発電機メーカー、エステマック社が舞台となった。
同社は従業員数2700人、国内に36の拠点を持ち、国内の発電機シェアの60%を握る優良中堅企業だ。同社の気がかりは、最近稼働を始めたゴイアス州の生産拠点。そこで働く500人の従業員は最近入社したばかりだという。
今回、「お忍び上司」のミッションを受けたのは42歳で同社の財務・情報管理担当取締役ヴァウド・マルケスさんだ。
お忍び中、ヴァウドさんは国内の生産拠点で<いち従業員>として現場の社員とともに働いた。ミッション遂行中は家族も騙されるほど完璧な変装で、<夜働くことに疲れ、昼間の定職に就いた元ミュージシャン、マルコス・ジュニオール>として現場作業に臨んだ(次ページへつづく)。
(文/余田庸子、写真/Reprodução/「Fantástico!」/TV Globo)
写真はTVグローボ「ファンタスチコ!」の「お忍び上司」より。TVグローボの番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで