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政治、経済、治安が最悪の中で始まった、ブラジルのオリパラ・イヤー

リオ州 軍警察

リオの新年の風物詩となったコパカバーナ海岸の花火会場は、今年は200万人を動員した。

街や道路の至るところに市警や軍警察が多数立っていたので安心していたら、その目をくぐって、スラム街からの強盗団が、海岸の暗闇に乗じて荒仕事をしていた。警察も追いかけていたが逃げ足が速く、まったく捕まる様子もなかった。

こうした悪事が日中のリオ市内でも行われている。経済危機と盗難などの影響で、わずかこの半年間に、リオ市中心部の小売店が600店近くも閉店している。州も今年になって、軍警察を30人増員したが焼け石に水で、財政難にあって思い切った対策はとれなくなっている。

早期の経済回復を祈るばかりだが、原油が1バレル=100ドルを超えれば採算が取れるとして踏み出した深海油田開発だったが、いまや油価は3分の1近くまで下落し、米国のシェールガス開発の進展もあり、原油価格の回復は見込みにくい。

さらに鉄鉱石に至っては、ピーク時の5分の1まで下がっており、各社は大規模なレイオフをせざるを得ない状況となっている。

鉄鉱最大手のヴァーレの株価はこの1年で半値になった。これに追い打ちをかけるように15年11月、豪BHPと合同出資をしているミナス・ジェライス州の鉱滓ダムが決壊。死者を出し、環境を破壊する大惨事となっており、巨額賠償金問題へと発展している。神に見放された状況といえるかもしれない。

残りわずかな希望は検察である。権力に屈せず、着々と汚職にメスを入れている。今年になって、すべて現職の上院議長、官房長官、サンパウロ市長などの名前が挙がっており、本丸へ切り込む気配を見せている。今年は、利権をむさぼった政治家を一掃し、まともな政治家と官民一体となって、神や資源に頼らず、自らの手で新しい産業を創出する元年となってほしい。

(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
写真はリオ州軍警察

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