日本とは異なるブラジルの医療事情

2016年 03月 30日

ブラジル 病院制度

ブラジルで、診察することはConsulta(コンスウタ)、つまりコンサルティングと言います。

初めて病院に行った時に、私費で診察を申し込んだのですが、診察料が230レアル(7000円)もして、高いと感じました。後でわかったのですが、お金の支払いが必要なのは初回だけで、2回目以降は30日以内であればお金を支払う必要はありません。

ブラジルの病院と日本の病院の違いといえば、病院に検査機械がないという点が大きいです。病院に行くと、小さな部屋の一室にちょっとした検査器具があるくらいで、あとは事務机と診察台があるだけのシンプルな作りが多いです。

例えばX線や血液検査は、専門の機関に行って取って来いと言われます。これが非常に面倒なのです。X線をとるために、また別の場所に車を走らせて、受付で待たされて検査料を支払い、結果が出たら、それを取りに行って、再び医者のもとに行きます。

その日の内に終わらないこともありますし、何かと待たされるのも大変です。同じ病院内に検査機械があれば良いのにと思うのですが、そんな効率の良さはブラジルの病院では求められないのかもしれません。

逆に考えると、日本では小さな開業医でも高そうな検査機械を備えているのが普通なので、コスト効率的にはブラジルの方が良いんだろうなとも思います。

ブラジルにおける患者の行動パターンをまとめると以下の通りになります。

1) 病院に予約を入れて、数週間から数ヶ月辛抱強く待つ。
2) 診察当日に自分の番が来るのを辛抱強く待つ。
3) 診察は5分で終わり、処方箋を貰っただけで終わるか、X線検査などを指示される。
4) X線検査の専門機関に行き、辛抱強く待つ。
5) 後日、X線検査の結果を取りに行き、病院に戻って辛抱強く待つ

とにかく、ブラジルの病院は、待つことや動き回ることが多く不便なことが多いので、病気にならないように健康管理をしっかりすることが日本以上に重要だと感じます。

(文/唐木真吾、写真/Valter Campanato/ABr)
写真はブラジリア、救済病院

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
コラムの記事一覧へ