カーニバルより盛り上がる!? フェスタジュニーナ(6月祭)の起源

2016年 06月 20日

フェスタジュニーナ

フェスタ・ジュニーナは中世ヨーロッパにその起源を有します。

当時ヨーロッパでは、ケルト民族、エジプト人などが夏至(6月22日、23日。南半球のブラジルでは冬至に当たる)の時期に収穫の始まりを祝うお祭りを営んでいました。カトリックが現在ほど浸透していなかった当時、この祭りはユピテル神(Júpiter)の妻であるユーノー神(Juno)を奉り、ジュノニアス祭(junônias)と呼ばれていたそうです(ユーノー神は6月の名前の由来となっている神です)。

カトリック教会は、この異教徒の風習をやめさせようとしたものの、叶わなかったのでキリスト教化しようと考えました。イースターと同じですね。つまりこの祭りをユーノー神の祭りではなく、カトリック教会の聖人に関連する祭りにしてしまおうとしたのです。

現在、6月は3人の聖人に敬意を表する記念日になっています。

その3人の聖人とは、聖アントニオ(6月13日)、聖ヨハネ(6月24日)、聖ペドロ(6月29日)です。ジュノニアス祭(junônias)という名前も、聖ヨハネ(São João)にこじつけて、ジョアニーナス祭(joaninas)と呼ばれていた時期もあったようです。

では、ブラジルにフェスタジュニーナが伝わったのは…(次ページへつづく)。

(文/唐木真吾、写真/Val Fernandes/FEM/Agência Acre)
2014年6月30日北部アクリ州のフェスタジュニーナ

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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