元大富豪アイキ・バチスタ氏捜査にインターポールも乗り出す

2017年 01月 29日

セルジオ・カブラウ前リオ州知事

リオのラヴァ・ジャット作戦特別チームによると、このスキームに関わっていたバチスタ氏とその他捜査対象者たちは逃亡防止の目的で身柄拘束命令の対象となった。

1億ドルの一部、1650万ドル(約18億6400万円)は株式の購入に回された可能性がある。賄賂はいったんバチスタ氏がパナマに所有する口座を通り、ウルグアイにあるカブラウ前リオ州知事の資産を管理する口座に入金されていた。

「1650万ドルを直接送金できなかったので、カブラウ氏はペトロブラスなどの株式を市場で買うように命じました。購入した株の銘柄はアンベブ、ペトロブラス、ヴァーリです。株の売買を通じてお金はウルグアイの口座に移動したのです」(連邦公共省検察、エドゥアルド・エル・アージ氏)

26日に始まった「エフィシエンシア」作戦の中で明らかになったのは、カブラウ氏の海外口座への資金移動ルートはあらかじめ決められていた点だ。

1億ドルのうち、2200万ドル(約24億8600万円)はカルロス・ミランダ(700万ドル=約7億9100万円)とウィウソン・カルロス(1500万ドル=約16億9500万円)の口座に沈み、残り7800万ドル(約8億8100万円)はカブラウ氏の口座に入ったとエル・アージ氏は言う。

ウルグアイのカブラウ氏の口座に入れるために行われた、バチスタ氏の口座から1650万ドルの賄賂をめぐっての金融取引については、カブラウ氏から分け前をもらっていたマルセロ・シェバール氏、ヘナート・シェバール氏兄弟の証言から、当時知事だったカブラウ氏の指示で行われたことが判明している。株取引はカブラウ氏の名義で行われてはいないものの、取得した株式は実質的にはカブラウ氏の資産だったという。

ウインターボッサム銀行が発行した株式入出庫記録によると、2011年9月から2012年12月末までの期間に上記3銘柄の株式の入庫出庫が起こっているという。いずれも入庫が2011年9月9日、出庫が2012年10月29日となっている。入庫された株はすべて出庫されている。入出庫株数はペトロブラス株式が30万株、ヴァーリが10万株、アンベブが1万6000株だった(次ページへつづく)。

(文/原田 侑、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は2016年11月17日、身柄を拘束されたセルジオ・カブラウ前リオデジャネイロ州知事