日本のスポーツスタジアム環境を変えるお手本になる!? ブラジルのスタジアム最新事情
2017年 11月 26日(2)アレーナ・コリンチャンスの待機列解消法
サンパウロにあるコリンチャンスの本拠地アレーナ・コリンチャンスは、2014年のW杯の開幕戦と準決勝、リオ五輪の準決勝などが行われた会場としても知られている。
このスタジアムのトイレには、日本の技術が活かされているのだ。
メーカーはTOTO。大理石で出来た美しいトイレは非常に気持ち良く使える。だが、このトイレの驚くべき点はそこではない。このトイレの洗面所の鏡には、試合映像が映し出されているのだ。
また、トイレだけでなく飲食物売り場にもテレビが設置されているので、試合中にトイレや飲み物を買うため席を離れるのを躊躇する気持ちの解消に役立っているようだ。
こうしたスタジアム内の様々な場所で試合映像を流すサービスは、トイレや買い物で試合中に席を離れる人だけでなく、ハーフタイムや試合終了後にしか席を離れたくない、ガチで観戦したいサポーターにとっても恩恵を与えてくれる。
なぜなら、サッカーの試合ではどうしても、試合前、ハーフタイム、試合後にトイレや売店、グッズ売り場はごった返して混みあうからだ。特にハーフタイムには何万人ものサポーターをたった15分で捌かなければならないのだから、Jリーグでもスタジアムによっては酷くイライラさせられる。
混雑時間を分散させられるこの取り組みは、テレビを設置するだけで実現可能なのだ。
東京五輪に向け、さらにはその後、日本サッカー協会が掲げる自国開催のW杯優勝に向け、スタジアム整備もまた日本サッカーの強化に必要な取り組みではないだろうか。
(写真(中・下)・文/平安山良太、写真上/Paulo Pinto/Fotos Públicas)