日本最大級のイタリアン・フェス「イタリア・アモーレ・ミオ!」、 2019年はブラジルと縁の深いヴェネト州をフィーチュア
2019年 05月 26日
5月21日(火)、駐日イタリア大使館で「イタリア・アモーレ・ミオ! 2019」の開催を発表する公式記者会見が行われた。
在日イタリア商工会議所(ICCJ)が主催する「イタリア・アモーレ・ミオ!」は日本最大級のイタリアン・フェスティバル。4回目を迎える「イタリア・アモーレ・ミオ! 2019」における観光プロモーションでは、ブラジルへのイタリア移民を19世紀末~20世紀初頭に最も多く輩出したヴェネト州にスポットが当てられるという。
開催日が7月6日(土)、7日(日)となることにちなみ、今年の「イタリア・アモーレ・ミオ!」はItalian Tanabataがテーマに掲げられることになり、イタリア版七夕の愛のシンボルとして、ヴェネト州ヴェローナを舞台にしたシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」がイベントの象徴となっているという。
会場にはヴェローナにある、ジュリエットのバルコニーを再現したフォトブース「ロミオとジュリエットのLOVEバルコニー」が設置され、SNSを通じたコンテスト・イベントも開催される。
ジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使閣下は、「イタリア・アモーレ・ミオ!」のようなイベントでは、グルメ、音楽、ファッションなど多様なコンテンツを通じて、物品のプロモーションだけでなくイタリアのライフスタイルを紹介することも使命のひとつだと語った。
「プロジェクトには、貿易を促進する部門、文化の紹介を行う部門、観光を促進する部門が協力し合っています。観光促進部門では、イタリアの地方の魅力をみなさまに届けたいと考えています」(ジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使閣下)
ICCJのダヴィデ・ファントーニ事務局長によるとヴェローナだけでなくヴェネツィア、パドヴァなどヴェネト州の各地の観光プロモーションが行われるという。
ブラジル地理統計院(IBGE)によるとブラジルに多くの移民が押し寄せた時期に当たる1870年から1920年の間に、ブラジルに流入した移民の中で最も多かったのがイタリアからの移民で、移民全体の42%を占めていたという。
この期間、地域別ではイタリア北部のヴェネト州(地域はトレヴィーゾ、ヴェローナ、ヴェネツィア、パドヴァ、ヴィチェンツァ、ロヴィーゴ、ベルーノ)からの移民が最も多く、イタリア移民全体の30%を占めていたという。カンパニア州(ナポリとカゼルタ)とカラブリア州(コゼンツァ、カタンザーロ)がこれに続く。
そのため今もブラジル、とくにイタリア移民が多い南部~南東部にはヴェネト州のさまざまな文化が色濃く残っている。
ブラジルで家庭料理のひとつとして定着しているポレンタもイタリア北部の郷土料理だ。
同州のカステルマッサから1924年にブラジルに移民したジョヴァンニ・セラッティが、1932年にサンパウロに創設したセラッティ(ブラジルではセラッチ)が作るモルタデッラ・ソーセージ(もともとはヴェネト州に隣接するボローニャ州の名物)は、サンパウロをはじめ南東部~南部ではソウルフードとなっている。
「イタリア・アモーレ・ミオ! 2019」でもフードブースでパスタやパニーニど美食の国イタリアのさざまな味が楽しめるが、ICCJの中島峻介イベント・マネージャーによると、今年はイタリアのサラミ協会が出店して、希少価値の高い様々な種類のイタリアのサラミを提供するという。
ボローニャ産モルタデッラのIGP(保護地理的表示)の保護や推進を行うモルタデッラ・ボローニャ・コンソーシアムが日本におけるイタリア食材のプロモーションに積極的に協力をしているので、本場ボローニャのモルタデッラも出品されるかもしれない。
そのほか、本場ナポリのピザマエストロによるオリジナル・ピッツァ「アモーレ・ピッツァ」が特別販売される。
また、テレビ司会者、ジャーナリストでありながらカリスマ料理研究家としても人気を博するベネデッタ・パローディさんが来日して、クッキングショーやトークショーを行う。
ブラジルと縁の深いヴェネト州にスポットが当てられる「イタリア・アモーレ・ミオ! 2019」は、ブラジルファンにも興味深いイベントとなりそうだ。
7月6日(土)~7日(日)、赤坂サカスにて各日10時~20時に開催。入場無料。
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(文/麻生雅人)