サッカー女子W杯 ブラジルは16強で敗退
2019年 06月 26日
サッカーのワールドカップ(W杯)は、オリンピックと同じ4年に一度行われる。これは、男子も女子も同じなのだが、開催される年は異なる。女子は男子の次の年に行われる。階差時期は男子と同じ6~7月にかけてである。
W杯の翌年の6~7月に4年周期で行われるのは、コパアメリカも同じだ。そのため、今まさに女子W杯が、フランスで、コパアメリカと同時並行で開催されている(開催は6月7日から7月7日)。
二つの大会が同時並行で行われているが、日本国内では、Jリーグの試合も中断されず通常通り行われているし、アジアのクラブNo.1を決めるAFCチャンピオンズリーグも行われている。
なんと贅沢なことだろうか。サッカー好きにはたまらない状況だろう。
時差の関係もあるので、多くの試合をテレビ観戦をするためには睡眠時間をどのように確保するか悩まざるを得ないというのは嬉しい悲鳴といったところだろうか。
さて、女子W杯といえば、2011年のドイツ大会で、日本代表であるなでしこジャパンが優勝したことが真っ先に思い出されるだろう。なでしこジャパンは、続く2015年のカナダ大会でも準優勝と素晴らしい結果を出している。
女子サッカーは、サッカー王国ブラジルでも盛んで、国内でリーグ戦も行われている。
ブラジルの女子サッカーといえば、何といってもマルタだ。
2006年度から2010年度まで5年連続で、また2018年度の通算6回、FIFA最優秀選手賞を受賞している。
因みに、マルタの5年連続の翌年(2011年度)に最優秀選手賞を受賞したのは、なでしこジャパンのW杯優勝に貢献した澤穂希だ。
マルタは、1986年生まれの33歳。
2002年代表デビュー。W杯は、2003年のアメリカ大会から5大会連続で出場している。
2007年のW杯中国大会では、ブラジルは準優勝に終わったものの、マルタは最優秀選手賞と得点王に輝いている。
「スカートを履いたペレ」ともいわれ、その実力は、サッカーの王様ペレにも認められており、ブラジルでは知らない人はいない。
筆者もブラジル在住時に一度だけマルタのプレーを観たことがある。
2011年だったと思うが、筆者が住んでいたサルヴァドールのピトゥアス競技場で、ネイマール主催のチャリティーマッチがあり、そのメンバーの一人として、男性選手に混じり、マルタもプレーしていた。
身長は163cmと男性に比べると小柄だが、髪をなびかせ、ピッチを走り回っていた姿は目に焼き付いている。
そんなマルタはいまだに現役であり、今回のW杯にも出場している。
マルタ擁するブラジルが所属するグループCは、イタリア、オーストラリア、ブラジルが2勝1敗の勝ち点6で並び、得失点差および総得点数でブラジルはグループ3位と他の2チームよりも順位を下げたが、決勝トーナメントへ進出することができた。
ブラジルの決勝トーナメント1回戦は、6月23日(日)21:00(日本時間24日(月)4:00)にフランスのル・アーブルで、開催国フランスと対戦した。
結果は、延長戦の末、ブラジルは1-2で敗れている。
ブラジルは16強で敗れ去ってしまったが、マルタは今大会で偉業を達成している。
今大会で5度目のW杯に出場していたマルタだが、グループリーグ第3節のイタリア戦でW杯通算17点目のゴールを決め、男子のドイツ代表で活躍したクローゼの持つ16点を抜き、単独でのW杯最多得点者となったのだ。
さて、そんな長きにわたり活躍しているマルタだが、W杯、オリンピックともに、優勝を体験したことがない。
2007年の中国W杯の準優勝、そして2004年アテネ五輪、2008年北京五輪での銀メダルが最高成績なのである。
ブラジルは、来年の東京五輪の出場権を得ている。
ぜひとも、なでしこジャパンと決勝戦で戦い、日本中の、いや世界中のサッカーファンを魅了するプレーを見せてほしいと思う。
(文/コウトク)