バンダ・マンダカリーニョ、2ndアルバムにイヴァン・リンスが参加

2020年 04月 17日

バンダ・マンダカリーニョ「Luz Brasileira ブラジルの光」(画像提供/八木美楠子)

ブラジルのMPBを中心に演奏するビッグバンド、バンダ・マンダカリーニョが2作目のアルバムを発表する。

「Luz Brasileira ブラジルの光」と題された本作には、かねてから念願だったというイヴァン・リンスがゲストヴォーカルとして参加している。

アルバムの製作とイヴァンとの共演にまつわるエピソードを、総指揮を務める八木美楠子さんにたずねた。

バンダ・マンダカリーニョ(画像提供/八木美楠子)

●イヴァン・リンスとは、いつか一緒に演奏したかったそうですね?

「はい。そうなんです。ずっとずっとそう思っていました。マンダカリーニョの音源は随分前からイヴァンに聴いてもらっていて、一緒にライブやりたいね…でも、スポンサーが必要だよね…って、会うたびにそこで話が終わっていました」

●八木さんにとってなぜイヴァンはスペシャルな存在なのでしょう?

「人生で一番ツライ出来事の一つがあった時に、イヴァンの音楽に命救われたのです」

イヴァン・リンスと(画像提供/八木美楠子)

●イヴァンとは長年、個人的な交流はあったのだそうですね?

「初めて会ったのは25年前のNYです。その時は「サインください」しか言えませんでした。それから日本、リオ、サンパウロ…いろんなところで演奏聴いたり、お話しするようになって。ここ10年近くは(イヴァンが)来日すると一緒にゴハン行ったりお買い物行ったりしていました」

●今回、共演が実現することになったきっかけは?

「去年(2019年)の来日の時、一緒にラーメンを食べた日に、一緒にラーメンを食べるのも楽しいけどイヴァンと音楽一緒にやりたいよぉ!!! って、痛感して…。その時に口頭でお願いして、レコーディング日程決まった後に、改めて正式にオファーしました。普段イヴァンとはポルトガル語9割、英語1割で話しているのですが、きちんとお願いするために、文書はメンバーのグスターヴォに正しいポルトガル語に添削してもらいました(笑)」

●共演の録音はどのように行われましたか?

「日本でマンダカリーニョだけで録った音源をイヴァン送って、オケに合わせて歌ってもらうという方法で、快諾してくれました。日本でのレコーディング予定が1月の終わりで、その後歌をお願いしたいと伝えたら、細かく予定を教えてくれました。丁度2月の上旬はポルトガルにいるのでそこでなら歌が録れる、と言ってくれたので、ポルトガルに行ってきました」

●歌入れの録音はどんな感じだったか

「イヴァンはミュージシャンとして、やっぱりスゴイなって改めて思いました。ここのところはこうしよう、とか、私たちの演奏を細かく聴いて自分の歌のアイディアを出してくれて、本当にありがたかったです。歌い始めた瞬間、もう涙が溢れそうだったんですが、ここで自分の感情が溢れちゃったら、私、絶対止まらなくなるのがわかっていたので、100回くらい我慢しました。帰りのタクシーの中で号泣しました」

●今回の作品で一番聞いてほしいところは?

「やはりメンバーの演奏です。今回のアルバムは、ほぼ全員のメンバーのソロが入っています。今回のレコーディングを通して、私はまだまだ勉強しなきゃいけないな、って改めて思っています。このメンバーたちと音楽ができることは本当に幸せで、ありがたいと思ってます。だから、もっともっといいアレンジが書けるようになりたいです」

バンダ・マンダカリーニョの2ndアルバム「Luz Brasileira ブラジルの光」は公式リリース日の5月13日に先駆けて、送料・消費税をサービスして、本体価格3000円で現金振り込みと郵送による先行通信発売を行っている。

購入を希望する方は①郵便番号と住所 ②名前 ③枚数をbandamandacarinho@gmail.comまで申し込みを。

(文/麻生雅人)