サンパウロの2021年のカーニバル、延期を発表。リオも検討中

2020年 07月 26日

写真は2020年2月23日、カーニバルで路上に繰り出すブロコ(写真/Edson Lopes JR/SECOM)

サンパウロ市のブルーノ・コヴァス市長は7月24日(金)、新型コロナウイルスのパンデミックが終息していないことから、2021年のカーニバルの延期を発表したと現地メディア「G1」が伝えている。

専用スタジアムでのコンテスト・パレードも路上のカーニバルも共に延期される。

開催時期については言及されなかったが、コンテスト・パレードに関してはサンパウロのサンバ団体リーグによると、5月末か7月初めが検討されているという。

コヴァス市長は、6月は、ブラジルでは北東部や北部で名物のフェスタ・ジュニーナ(6月祭り)が開催される時期なので候補からは外していると述べた。

サンパウロのカーニバルは近年、専用会場でのコンテストパレードだけでなく、リオデジャネイロのように街中にさまざまなブロコ(演奏やパフォーマンスを行うグループ)が繰り出す路上のカーニバルがにぎわいをみせている。

2020年のカーニバルでは600以上のブロコが街をにぎわし、市はカーニバル期間に3660万レアルの予算を投じ、23憶レアルの経済効果があったという。

北東部バイーア州サウヴァドール市でもカーニバルを7月に延期することが検討されているという。

リオデジャネイロでは、サンバ団体リーグが、ワクチンが開発されない限り安全にカーニバルは開催できないと主張しているとのことで、9月に延期される案が出ているという。

ブラジルでカーニバルが延期されるのは今回が初めてではなく、1892年と1912年の過去2回、カーニバルが延期されている。
1892年のカーニバルの延期は市街の衛生面の問題が原因で、この当時はまだサンバ団体は誕生していなかった。リオデジャネイロでカーニバルが根づき始めていたころで、サンパウロではまだカーニバルの前身とされるエントルードとよばれる、より暴力的な騒ぎの祭りがおこなわれていたという。

カーニバルの専門家でもあるマッケンジー大学のマーケティングの専門家ジョゼー・マウリシオ・コンラード氏によると、エントルードでは仮装した人々が路上へ繰り出し、キャッサバ芋などの粉や水、レモン水などをかけ合っていたが、ときには排せつ物もかけられていたという。しかし延期の発表は損調されず、この年、実際にはカーニバルは2月にも6月にも開催された記録が残っているという。

1912年のケースでは、カーニバルの1週間前に、ブラジルの“外交の父”でもあり、リオブランコ男爵の名で知られる国民的英雄のジョゼー・マリア・ダ・シウヴァ・パラニョス・ジュニオール外務大臣が他界したことから、政府は2か月後の4月6日にカーニバルの延期を発表した。しかしこの年も、2月と4月にカーニバルが行われているという。

スペイン風邪が流行した1919年にはカーニバルは開催されたという。

7月24日(木)20時に「オ・グローボ」、「G1」、「エシトラ」、「フォーリャ・ヂ・サンパウロ」、「UOL」、「エスタード・ヂ・サンパウロ」 によるメディア連合が各紙で発表した、新型コロナウイルス感染症に関する全国のデータは以下。

累計感染者    2.348.200人 (7月23日: 2.289.951人)
新規の感染者  58,246人(7月23日: 58.080人)
,
累計死亡者    85,385人 (7月23日:  84,207人)
新規の死亡者     1,178人 (7月23日:   1,055人)

(文/麻生雅人)