コパ・リベルタドーレス2020決勝は、パウメイラス対サントスのブラジル勢対決
2021年 01月 27日
2021年が始まっているが、ブラジルサッカー界では、まだ2020シーズンが終わっていない。
ブラジルサッカー界では、毎年1月下旬から州選手権から始まり、全国選手権は州選手権を終えた5月から12月までの日程で行われる。
各クラブは、それと同時並行で、カップ戦(コパドブラジル)、南米クラブ選手権(コパ・リベルタドーレス、コパスダメリカーナ)を戦うことになる。
しかし、2020シーズンは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、スケジュールが大きく変更されている。新しい年を迎えているが、まだ各大会は続いている。全国選手権は2月下旬までとなり、コパドブラジルは、準決勝までの日程を終え、2月中旬にホームアンドアウェイで決勝(パウメイラスとグレミオが対戦)を行うことになっている。
そして、ブラジルのクラブにとって最高の栄誉である、南米クラブ王者を決めるコパ・リベルタドーレスについても、1月30日(土)に行われる決勝を残すのみとなった。
そんなコパ・リベルタドーレス決勝の対戦カードだが、今回はパウメイラスとサントスという、ブラジル勢同士の対決になったのだ。
コパ・リベルタドーレス決勝での同国のチーム同士の対戦は非常に珍しい。
ブラジル勢同士が過去2回(2005年:サンパウロとアトレチコパラナエンセ、2006年:インテルナシオナウとサンパウロ)と、アルゼンチン勢同士が過去1回(2018年:リーベルプレートとボカジュニオールス)の3度しかない。
過去2回のブラジル勢同士の対戦は、いずれも私のブラジル在住時だったので、よく覚えている。
特に、2005年の決勝は、私がブラジルに行って数週間が経った頃だった。
セカンドレグでサンパウロが4-0で勝ち優勝を決めた試合は、テレビ中継の様子を今でも鮮明に覚えており、とても印象深い。
そして、そんなブラジル勢同士の戦いを制したクラブは、2005年も2006年も南米代表として出場したクラブワールドカップでヨーロッパ代表を破り優勝を飾っている。
今回の決勝で戦うパウメイラスとサントスだが、いずれもサンパウロの4大チームに挙げられる名門クラブでありライバルチームである。その対戦は、通常のリーグ戦でもクラシコといわれ、激しく盛り上がる。
今(2020)シーズンのパウメイラスは、非常に充実している。サンパウロ州選手権を12年ぶりに制し、全国選手権では現在5位(サントスは10位)と好位置につけている。そしてコパドブラジルでも決勝まで進んでいる。
コパ・リベルタドーレスでも、グループリーグでは全32チーム中1位(サントスは2位)で決勝トーナメントへ進出している。
勝てば、1999年以来2度目となる。1999年の優勝時は、横浜フリューゲルスでもプレーしたサンパイオ、ジーニョ、エバイールが揃って出場していた。
一方のサントスは、パウメイラスほど充実したシーズンを送れていない。
日本での話題といえば、MFジエゴ・ピトゥカが、本大会終了後に鹿島アントラーズに移籍することだ。ボカジュニオールス(アルゼンチン)と対戦した準決勝のセカンドレグでも貴重な先制ゴールを決めている。
勝てば、ネイマール(パリサンジェルマン)、ガンソ(フルミネンセ)などが活躍した2011年以来9年ぶり3度目となる。
決勝戦の会場はサッカーの聖地マラカナン(リオデジャネイロ)で、1月30日(土)17:00(日本時間31日(日)早朝5:00)から行われる。この試合は、日本でも日テレジータス(CS放送)で生中継される。
以前は、決勝戦も他の試合同様にホームアンドアウェイで行っていたが、2019シーズンから、UEFAチャンピオンズリーグのように中立地での1試合で行うことになった。
サンパウロのクラシコとなるこの試合。意地と意地のぶつかり合いとなるはずだ。果たしてどのような戦いになるのか。非常に楽しみである。
(コウトク)