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ブラジル全国選手権、フラメンゴが連覇。勝利に導いた新監督ホジェリオ・セニとは

2020年11月からフラメンゴの監督を務めたホジェリオ・セニ(写真/Alexandre Vidal /CRF)

ブラジル全国選手権は、昨シーズンに続きフラメンゴが連覇した。

昨(2019)シーズンのフラメンゴは、ポルトガル人のジョルジ・ジェズスが監督を務め、リオデジャネイロ州選手権、ブラジル全国選手権、コパ・リベルタドーレスの3冠を達成した。

今(2020)シーズンも開始時にはジョルジ・ジェズスが指揮を執っていたが、2020年7月に、古巣 ベンフィカ(ポルトガル)の監督への就任が決まり退団。後任の監督には、ペップ・グアルディオラのアシスタントコーチを長年務めたスペイン人のドメネク・トレントを迎えたが、成績不振を理由に2020年11月に解任されている。

そして、新監督に就任したのが、ホジェリオ・セニだ。

2月25日、カンピオナート・ブラジレイロで優勝を果たしたフラメンゴ(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

ホジェリオ・セニは、伝説的プレイヤーだ。

ゴールキーパー(GK)でありながら、FK、PKのキッカーを務め、自らマークした131ゴールはGKとしての最多得点数としてギネス認定もされている。

ワールドカップには、2002年、2006年の2大会でメンバーに選ばれ、いずれも控えだったが、2006年大会のグループリーグの対日本戦では、途中出場ながらプレーしている。

2005年には、日本で行われたクラブワールドカップで優勝し、大会MVPにも選ばれた。

サンパウロFC一筋で2015年に現役を引退。誰もが認めるサンパウロFCのスーパーレジェンドである。

そんなホジェリオ・セニは、満を持して2017年にサンパウロFCの監督に就任したが、成績不振により退団。その在任期間はほんの半年間だった。

このニュースは衝撃的だった。あのスーパーレジェンドであるホジェリオ・セニでも、こんな短期間で愛されたチームを去らねばならないのだから。

しかし、レジェンドとして君臨していたサンパウロFCを離れたホジェリオ・セニは、新天地で監督として初めて輝きを放つことになる。

2018年、3部から2部に昇格を果たしたばかりのフォルタレーザの監督に就任。するといきなり、チームは2部リーグでの優勝を決め、一気に1部への昇格を果たすことになる。

2019年、勢いそのままにセアラー州選手権、コパドノルデスチで立て続けに優勝。1部に昇格したばかりのブラジル全国選手権でも指揮を執り続けていたが、8月に不振にあえぐベロオリゾンチの名門クラブ クルゼイロに新監督として迎え入れられる。

しかしながら、クルゼイロでは、主力選手とのトラブル等もあり、わずか1か月半でチームを去ることになり、再びフォルタレーザに戻る。

この年、ホジェリオ・セニの去ったクルゼイロはチーム初の2部へ降格。そして1部昇格初年度のフォルタレーザは9位という成績を収めている。

2020年もフォルタレーザの監督を務め、コロナ禍のパンデミックにより日程はずれ込んだものの、セアラー州選手権を前年に引き続き制覇する。

全国選手権でも指揮を執り続けていたが、そんな勢いのある新指揮官に白羽の矢を立てたのが、リーグ戦の前年覇者で名門中の名門クラブであるフラメンゴだった。

2月25日、カンピオナート・ブラジレイロで優勝を果たしたフラメンゴ(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

シーズン最後の3か月間という限られた期間だったが、ホジェリオ・セニはしっかりと勝ち点を積み重ね、強豪の立ち並ぶリーグ戦で見事に優勝を決めたのだった。

サンパウロFCのレジェンドが、リオの名門 フラメンゴの監督になり優勝を果たしたのだ。それも、最終節の対戦相手が古巣サンパウロFCというのだからたまらない。

日本で例えると、川崎フロンターレの絶対的レジェンド 中村憲剛が、川崎フロンターレの監督をすぐに退任し、回り回って、鹿島アントラーズの監督になり優勝するようなものである。

この事実には、驚かされたのと同時に、嬉しさも感じる。

サッカー界のレジェンドが、自分の慣れ親しんだチームを去らざるを得ないという過酷な過去を克服し、指導者として、サッカー界の中心で活躍しているのだから。

そして、フラメンゴが優勝を飾った一方で、リオデジャネイロのチームには悲劇が待っていた。リオの4大チームのうち、何と2チームが2部へ降格してしまったのだ。

シーズン前、本田圭佑が華々しく加入して話題をさらったボタフォーゴは最下位(20位)となり、かなり早い段階で降格が決まった。そして、ヴァスコ・ダ・ガマも、し烈な残留争いの末17位に終わり、降格が決まってしまったのだ。

これで、2021シーズンの全国選手権において、リオの4大チームでは、フラメンゴとフルミネンシの2チームだけが1部で戦うことになる。

リオにもサンパウロにも、いわゆるBig4と呼ばれる4つのチームがある。そのうちの1チームが2部で戦うことはたまにあるが、一度に2チームというのは相当珍しい。これは、ちょっとした事件だ。

(文/コウトク)

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著者紹介

コウトク  2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。現在、スポーツナビのブログ「ブラジルサッカーレポート」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kohtoku/)を執筆中。