日本代表対ブラジル代表戦 チチ監督・サンパイオコーチ前日記者会見。「明日はとても重要。W杯にふさわしい2つのチームの戦い」

2022年 06月 6日

6月5日、国立競技場にて会見に出席したブラジル代表のチチ監督(左)、サンパイオコーチ(右)(撮影/コウトク)

6月5日(日)、日本代表対ブラジル代表戦の前日練習および記者会見が国立競技場にて行われた。

まずは、16:15からブラジル代表の公式練習が始まった。報道陣に公開されたのは、開始から15分間のみだったが、その間選手たちは笑顔も交えリラックスモードだった。チチ監督もジャージ姿で選手たちに指示を送っていた。

ブラジル代表はビブスなし、ビブスあり(黄色ビブス)、そして通常フリーマンが着用するような赤ビブスの3つに分かれて練習を行った。

ネイマールはビブスなし。ほかには、カゼミーロ、ガブリエウ・ジェズース、ブルーノ・ギマラインスなど。

ビブスあり(黄色ビブス)は、リシャーリソン、マルキーニョス、ファビーニョ、ヴィニシウス・ジュニオール、アレックス・サンドロなど。

赤ビブスは3選手のみ。コウチーニョ、ルーカス・パケタ、ロドリゴだった。

6月5日、国立競技場。ブラジル代表の公開練習(撮影/コウトク)

会見は、日本代表の森保監督に続き17:30からブラジル代表が行う予定だったが、練習が長引き、始まったのは、17:45頃からになった。

会見は通訳を交えて行われ、チチ監督と、日本のJリーグでも活躍したことのあるセーザル(セザール)・サンパイオコーチが同席した。

チチ監督は「練習では集中してしまったが、まずはそれを優先したかった」と語り、会見を遅らせることを日本のプレス人が承諾してくれたことに対して、「ありがとう」と日本語を交えて感謝の意を表した。

「明日はとても重要な試合。W杯にふさわしい2つのチームの戦い。2018年のW杯で我々はメキシコに勝利した。その後、日本はベルギー相手に2-0で勝っていたので、日本と対戦する可能性があった。日本はW杯で対戦するレベルにあるチーム」だと述べた。

また、自身の立場については「2018年のW杯に向けてその2年前から指揮を執っている。そしてその後の4年間も継続している。とても良い条件で非常に長い準備期間を与えられている」と述べた。

選手層については「新しい世代が台頭してきた。経験のある選手たちと、ここ日本でオリンピックで優勝した世代も出てきており、うれしい悩みだ。スピードがあり想像力のある、特にFW陣が多く加わった。ネイマールへの依存度という問題もあったが、ネイマールの肩の荷もおりている」と語った。

また、今回の試合にあたり、パラグアイ戦をはじめとする日本代表の試合の動画を見て分析を行っていることを明かした。サンパイオコーチが中心となって相手チームの分析をしているようだが、コメントでは日本の選手名も具体的に挙げて、どんな相手に対しても細かく分析していることをうかがわせた。

「まずはW杯出場を決めた森保監督に賞賛を送りたい。日本代表はバランスの取れたチーム。特にDFが強固。選手の名前を挙げるとすると、吉田、長友、遠藤。遠藤はとてもポジショニングがよい。攻撃面でも想像力のある選手が揃っている。特に南野、伊東。南野はテクニックが高く、伊東は1対1に強くスピードがある」

「明日は素晴らしい試合になると思う。お互い、テクニックを駆使し勝利を目指す似たチーム。試合を見た人はすべて幸せになるだろう」と会見をしめくくった。

和やかだが、その中にも厳格なところも感じさせる会見だった。

特にチチ監督は、時折日本語も交えて日本人に対する感謝の意を述べ、温かい人間性を感じさせた。

(文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

コラムの記事一覧へ