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ブラジル、グループリーグ最終戦で黒星を喫するもグループ1位で決勝トーナメント進出

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12月2日(金)、カタール、ルサイルスタジアム。ブラジル対カメルーンのブルーノ・ギマランイス(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

12月2日(金)22:00(日本時間3日(土)早朝4:00)、     FIFAワールドカップ、カタール大会グループリーグ最終節の最後の2試合が、同時にキックオフされた。

グループGの2試合、カメルーン対ブラジルとセルビア対スイスである。

前節でグループリーグ突破を決めたブラジルだが、グループの1位になるか2位になるかは決まっておらず、最終節の結果で決まることになった。

キックオフの2時間前にグループHの最終節の2試合が終わり、決勝トーナメント1回戦でのブラジルの対戦相手は、1位通過の場合は韓国、2位通過の場合はポルトガルになることが決まっていた。韓国は、劇的な後半アディショナルタイム弾で強豪ポルトガルを下し、ギリギリで決勝トーナメント進出を決めたのだった。

ここまで2戦2勝のブラジルは、最終節を勝ちか引き分けなら1位通過、負けた場合でももう一つの試合結果によっては1位通過の可能性があり、1位通過は濃厚だった。しかしながら、何が起こるかわからないのがサッカーである。

そんな最終節のブラジルは、ターンオーバーで先発メンバーを大幅に変えてきた。

この日先発したのはサブ主体のメンバーだが、十分に豪華だった。

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12月2日(金)、カタール、ルサイル・スタジアムのブラジル代表(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

GKはエデルソン。プレミアの常勝チーム、マンチェスター・シティの正GKである。

DFは右からダニエウ・アウヴェス(プーマス)、ミリトン(レアル・マドリード)、ブルーメル(ユヴェントス)、アレックス・テレス(セビージャ)。中盤は、ダブルボランチにはファビーニョ(リヴァプール)とフレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)、2列目のウイングに右がアントニー(マンチェスター・ユナイテッド)左がガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)が入った。

FWは2トップでガブリエウ・ジェズス(アーセナル)とロドリゴ(レアル・マドリード)が選ばれた。前節からミリトンとフレッジ以外、実に9人のメンバーが変更された。

キャプテンは最年長39歳のダニエウ・アウヴェス。前節までは38歳のチアゴ・シウヴァがキャプテンを務めていたが、ブラジル代表キャプテンとしての最年長記録をさらに更新したようだ。

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12月2日(金)、カタール、ルサイルスタジアム。ブラジル対カメルーンのダニエウ・アウヴェス(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

いつもと違うのはメンバーだけではなかった。ユニフォームがいつものカナリア色ではなく青色のセカンドのものを着用していた。

私はけっこうブラジルの青のセカンドユニフォームが好きなのだが、毎大会1試合ぐらいしか着用されず、しかもこれを着用した試合はあまりいい成績を残していない感じを受ける。確か、2010年の南アフリカ大会の準々決勝でオランダに敗れたときも青色のユニフォームではなかっただろうか。

負傷中のサントス黄金期の3選手、ネイマール、ダニーロ、アレックス・サンドロは並んでスタンドで観戦していた。思いがけず見ることができた3ショットだったが、当時のサントスファンにとってはとても嬉しい3ショットになった。

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12月2日(金)、カタール、ルサイルスタジアムに姿を見せたネイマール、ダニーロ、アレックス・サンドロ(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

試合は、開始早々から終始ブラジルのペースだった。

出場機会に飢えていたサブの選手たちは、怒涛の攻撃を繰り返していた。特に目立っていたのは、右サイドのアントニー、中央のロドリゴ、そして左サイドのガブリエウ・マルチネッリだった。

アントニーは足技など個人技を見せ、いかにもブラジル人らしいプレーをし続けていた。ロドリゴもテクニックを駆使しスピードに乗ったドリブルで駆けめぐり、そしてガブリエウ・マルチネッリは力強く左サイドを駆け上がり決定的なシュートを打っていた。この3人はまさに水を得た魚のように躍動感あふれるプレーを繰り返していた。しかし、ゴールだけは決まらず、前半は0-0で折り返した。

後半は、開始早々カメルーンが攻撃を仕掛けてきた。ゴール前へのクロスが入りDFブレーメルが弾いてカメルーンがCKを得た。これがカメルーンにとって初めてのCKになったが、このCKからの守備で左SBアレックス・テレスが相手選手と接触し、倒れてしばらく起き上がれなかった。一旦ピッチの外に出てから再びプレーを続けたがプレーの続行はできず、無念の途中交代となった。

代わって入ったのはマルキーニョス。CBが本職だが、そのまま同じ左SBに入り、最後まできちんとSBとしてプレーしていた。それと同時に、ブラジルは、フレッジからブルーノ・ギマラインス(ニューカッスル)、ロドリゴからエヴェルトン・リベイロ(フラメンゴ)へ交代した。後半開始早々の54分のことである。

それからは徐々にブラジルがペースをつかみ始めた。前半と同様にアントニーとガブリエウ・マルチネッリは何度となくドリブル突破からゴールに襲い掛かる。そこにブルーノ・ギマラインスが加わった分、厚い攻撃が繰り返された。

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12月2日(金)、カタール、ルサイルスタジアム。ブラジル対カメルーンのガブリエウ・マルチネッリ(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

63分、ガブリエウ・ジェズスからペドロ(フラメンゴ)へ交代。アーセナルで活躍中のガブリエウ・ジェズスは、前回2018年のロシア大会ではストライカーのエースナンバー9番を付けて臨んだが、思うような動きはできず期待に応えられず無得点に終わった。今大会に期する思いは大きかったと思うが、残念ながら思ったようなプレーはできなかった。

ペドロは初登場。リベルタドーレス杯の得点王で典型的なCFだ。

後半もっとも目を引いた選手はブルーノ・ギマラインスだった。

守備的な中盤でプレーすることが多いが、この日はいつもより少し前目にポジションを取り、ピッチの中央を攻守にわたりいい動きを繰り広げていた。前線の選手たちと積極的に絡み、相当数シュートも打っていたが、決め切ることは最後までできなかった。

78分、アントニーからハフィーニャ(バルセロナ)へ最後の交代枠が使われた。アントニーは何としてもゴールを決めたかったことだろう。この日プレーしたメンバーの中でもギラギラ感は半端なかった。

終始ブラジルが攻め立てる中、後半ATに入ったところで大きなドラマが待っていた。

何とカメルーンがゴールを決めたのだ。

右からのクロスをゴール前で構えていた10番でキャプテンのアブバカルが頭で合わせた。GKエデルソンは一歩も動けずゴールマウスに入っていくボールを見送るしかなかった。

ゴールを決めたアブバカルは喜びのあまりユニフォームを脱ぎ2枚目のイエローカードをもらい退場した。

ブラジルとしてはいくらローテーションしたメンバーで臨んだとはいえ、意地でも負けるわけにはいかない。

ATは9分あったので、残りはまだ7分ほどある。

同時刻で行われているもう一つの試合でスイスが勝っているとの情報が入り、スイスがもう1点でも入れると2位通過になってしまう。チチ監督の渋い表情も映し出された。

このゴールでピッチの雰囲気は一変した。ブラジルに悲壮感が漂った。ブラジルはギアを上げて怒涛の攻撃を繰り広げる。ガブリエウ・マルティネッリ、ブルーノ・ギマラインスが立て続けにシュートを打つがゴールは決まらなかった。

結局ブラジルは0-1で負けた。しかし、スイスもそれ以上ゴールは決められず、ブラジルは辛くも1位通過を決めたのだった。

ブラジルがグループリーグで負けたのは、98年のフランス大会以来24年ぶりのことらしい。しかもFIFAランキング1位のブラジルが43位のカメルーンに敗れたのだ。これは、スペイン(7位)やドイツ(11位)を破った日本(24位)の試合よりもサプライズなのかもしれない。しかし、こういうことはサッカーでは往々にして起こることだ。

懸念材料としては、途中で負傷交代した左SBアレックス・テレスに加え、FWガブリエウ・ジェズスも負傷していたらしく、この2人は今大会中最後までプレーできないとの情報が入ってきた。特にSBは、ダニーロ、アレックス・サンドロが負傷中でありただでさえ厳しいので、さらに困難な状態になってしまった。

ブラジルとしては勝ち切りたかったことは間違いない。1位通過出来たとはいえ、勝負ごとに負けて悔しいに違いない。また、珍しく青色のセカンドユニフォームでプレーしたが、このユニフォームにネガティブな印象がついてしまいそうで残念である。

とはいえ、予定通り1位通過することができ、実質的な影響はないと言っていいだろう。まったく悲観的になる必要はないと思う。

これで、グループリーグはすべて終了し、決勝トーナメントの組み合わせも決まった。ブラジルは、決勝トーナメント1回戦を韓国と対戦することになった。そして、勝ち進んだら準々決勝で、日本とクロアチアの勝者と戦うことになる。

韓国の勝負強さを散々見せつけられている身としてはちょっと嫌な相手だと思うが、ブラジル代表のメンバーたちにとっては、それほど意識する相手ではないだろう。今回の教訓を生かし、きちんと戦うだけである。

ネイマールが練習を開始したとの情報も入ってきているが、負傷中の3人の状況も気になる。この試合では残念ながらゴールを奪えなかったが、サブのメンバーでも十分に戦えることを証明してくれた。焦ることなくじっくりと治療に専念し、ある程度目途がついた段階で戻ってきてほしいと思う。

今大会のスケジュールはとてもタイトである。

決勝トーナメントは、1日もインターバルを取ることなく続けられることになっている。

グループリーグを終えた翌日である12月3日(土)から2試合ずつ19:00と22:00(日本時間4日(日)から深夜0:00と早朝4:00)に4日連続で行われる。

ブラジル対韓国の試合は、5日(月)22:00(日本時間6日(火)早朝4:00)に、今回の試合から中2日で行われる。ハードスケジュールだが、さすがブラジルと言わせるようなスカッとした試合を見たいと思う。

そして、願わくば5日(月)19:00(日本時間6日(火)深夜0:00)に行われる日本対クロアチアの試合で日本が勝ち、準々決勝でブラジル対日本の試合をぜひとも見たいと思う。

(文/コウトク)

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