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FIFAワールドカップカタール大会、ブラジル代表メンバーを検証

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11月7日(月)、代表メンバーを発表したチチ監督(写真/Lucas Figueiredo/CBF)

今年(2022年)は4年に一度のワールドカップ(W杯)イヤー。W杯は通常だとヨーロッパサッカーのシーズンオフである6月~7月に開催されるが、今回は11月~12月に行われる。

これは開催地であるカタールの気候によって決められたようだが、サッカー選手たちにとっては相当な過密スケジュールを強いられている。

サッカーにおける最大の大会は何といってもW杯である。世界中のサッカー選手たちはこの大会に出場すること、そして優勝することを最大の目標にしているといっても過言ではないだろう。そんなW杯に向けて、今シーズンは各国のサッカーリーグもスケジュールを前倒しにするなど日程調整を行って対応している。

Jリーグは通常より1か月ほど早く11月5日に閉幕した。日本と同様に春秋シーズン制のブラジル国内リーグも同様に11月13日に閉幕する。

多くの主力選手が所属するヨーロッパ各国のリーグは秋春シーズン制を採っており、今回のW杯はリーグ期間真っ只中に開催される。各国リーグ戦はその期間中断することになるが、1週間前の週末(11月12、13日)まで行われる。そのうえさらに、ただでさえ過密日程の各国のリーグ戦に加えUEFAチャンピオンズリーグなどのカップ戦も行われるので、選手たちには相当な負担がかかっている。そのため、主力選手に、相次いで怪我やアクシデントなどが発生している。

クラブでフル稼働した選手たちは、超過密日程のクラブでの連戦を終え、たった1週間しか猶予が与えられずに代表チームに合流してW杯の舞台に立つことになる。

通常は1か月ほどの準備期間を設けてW杯を迎えているが、1週間ではほとんど準備もできないだろう。そういった意味でも今回のW杯は波乱も起こるのではないかと懸念している。最高の舞台で最高のパフォーマンスを見せてほしいものなのだが…。

さて、そんなW杯カタール大会に向けて、出場する各国ではメンバー発表がされている。

11月1日には日本代表の発表があったが、7日にはブラジル代表も発表された。発表された26人は以下の通りである。

GK:アリソン(リヴァプール)

   エデルソン(マンチェスター・シティ)

   ウェベルトン(パウメイラス)

DF:アレックス・サンドロ(ユヴェントス)

   アレックス・テレス(セビージャ)

   ダニエウ・アウヴェス(プーマス)

   ダニーロ(ユヴェントス)

   ブレーメル(ユヴェントス)

   ミリトン(レアル・マドリード)

   マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)

   チアゴ・シウヴァ(チェルシー)

MF:ブルーノ・ギマラインス(ニューカッスル)

   カゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)

   ファビーニョ(リヴァプール)

   エヴェルトン・リベイロ(フラメンゴ)

   フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)

   ルーカス・パケタ(ウエストハム)

FW:アントニー(マンチェスター・ユナイテッド)

   ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)

   ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)

   ネイマール(パリ・サンジェルマン)

   ペドロ(フラメンゴ)

   ハフィーニャ(バルセロナ)

   リシャーリソン(トッテナム)

   ロドリゴ(レアル・マドリード)

   ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)

順当と言えるだろう。

直前の代表メンバーに呼ばれなかったアーセナルで好調のガブリエウ・ジェズスは当落線上と言われていたが、同僚のガブリエウ・マルティネッリとともに選出された。

39歳のダニエウ・アウヴェスが選出されたのは一つのサプライズかもしれない。昨年の東京五輪ではオーバーエイジとして選出され金メダル獲得に貢献。所属クラブもサンパウロから盟友シャビが監督に就任したバルセロナに無給に近い形で移籍し、そしてこの7月にはメキシコのプーマスに移籍している。

国内(ブラジル)組での注目選手を見てみると、リベルタドーレス杯でも活躍したペドロが真っ先に挙げられる。

残念ながら選出されなかった有力選手としては、フィルミーノ(リヴァプール)、コウチーニョ(アストン・ヴィラ)が挙げられるだろう。

昨季まで少しパフォーマンスを落としていたフィルミーノだが、今シーズンはクラブでもレギュラーとして好調なだけに残念な気もする。コウチーニョは直近の試合で怪我をしてしまったようで、その影響もあるのだろう。

今回のメンバーを見て感じたことは、イングランド プレミアリーグ所属の選手が多いことだ。全26人中12人。ほとんど半数だ。

今回の選出メンバーの所属リーグを見てみると、イングランド プレミアリーグが12人と傑出している。次いでスペイン ラ・リーガが5人、イタリア セリエAが3人、フランス リーグアンが2人とヨーロッパ組が22人。ブラジル国内組が3人、そしてダニエウ・アウヴェスのメキシコが1人となっている。

前々回のブラジル大会、前回のロシア大会でもブラジル国内組は3~4人と変わらずヨーロッパ組が主流なことに変わりはないが、プレミアリーグ所属は、ブラジル大会、ロシア大会ともに6人だったことを考えると、飛躍的に増えていることがわかる。これだけ見てもヨーロッパの中でプレミアリーグが突出しているということが言えるだろう。

前回のロシア大会と連続で選出されたメンバーは9人になる。

GKのアリソン、エデルソン、DFのチアゴ・シウヴァ、マルキーニョス、ダニーロ、MFのカゼミーロ、フレッジ、そしてFWのネイマールとガブリエウ・ジェズスだ。

チアゴ・シウヴァとネイマールに至っては自国開催のブラジル大会から3大会連続での出場となる。

そしてダニエウ・アウヴェスは前回のロシア大会では選外となったが、2010年の南アフリカ大会と2014年のブラジル大会に続き3回目となっている。

地元開催ということもあり優勝が期待された中で、ドイツ相手に1-7で敗戦したあの悪夢のような「ミネイラォンの惨劇」を体感したメンバーはこの3人だけとなる。意外と少ない。

そして、昨年金メダルに輝いた東京五輪へ出場したメンバーは、リシャーリソン、アントニー、ガブリエウ・マルティネッリ、ブルーノ・ギマラインス、そしてオーバーエイジとして出場したダニエウ・アウヴェスの5人となる。ダニエウ・アウヴェス以外はすべてプレミアリーグ所属だ。優勝の歓喜を味わった5人の選手たちは、当然オリンピックに続くビッグタイトルを狙っている。

今大会、ブラジルは世界ランキング1位で臨む。今のところ主力選手に怪我人もほとんどおらず、有力な他国に比べてもアドバンテージはありそうだ。

代表チームとして家庭的な雰囲気をつくり出している指揮官のチチ監督はこの大会を最後に勇退することを明言している。そして長年エースとして君臨しているネイマールにとっても最後になるのではないかと言われている

ひいき目なしに客観的にみても、2002年の日韓大会以来の優勝を狙えると言ってもいいのではないだろうか。

また、個人的には、2011年にリベルタドーレス杯を制したサントスのメンバーが3人も選出されたことをとても嬉しく思う。エースのネイマールだけでなく、ユヴェントスのDFであるダニーロとアレックス・サンドロも揃って選出された。ダニーロとアレックス・サンドロは奇跡の二人ともいえる稀有な存在だ。

ポジションは右と左のSB。年齢も同じで現在31歳。所属チームはサントスを経てからもポルト、ユヴェントスと若干時期がずれた時もあるがほぼ同じ時期に同じチームでプレーしている。今でもユヴェントスで2人とも主力としてプレーしている。

2人ともスター選手といった感じの派手さはないのだが、これまでもコンスタントに代表に選ばれてきた。しかし、W杯となると話は別で、ダニーロは前回のロシア大会に選ばれ初戦こそフル出場を果たしたがその後は出場機会を得られていない。アレックス・サンドロにとっては初めてのW杯となる。

お互い31歳となり全盛期は過ぎた感もあるが、いまだにヨーロッパの有力クラブでレギュラーとしてUEFAチャンピオンズリーグにも出ており、その頃のサントスファンとしては嬉しい限りだ。あの頃のサントスにはガンソやエラーノ、そしてGKのハファエロなど素晴らしい選手たちが揃っていた。ダニーロもアレックス・サンドロもよい選手であることには間違いないが、ここまで長い間コンスタントにヨーロッパの名門チームで活躍できるとは思っていなかった。そしてセレソンの常連になりW杯のメンバーにも選ばれた。感無量である。

右SBはCBを本業としているミリトンが務める可能性もあり鉄人ダニエウ・アウヴェスまで滑り込みで選出された。左SBはアレックス・テレスも実力を持っている。そのため2人とも全試合レギュラーで出られることは難しいかもしれないが、プレーするチャンスはあるはずだ。かつてのチームメイトであるネイマールとともに素晴らしいプレーを見せてほしいと思う。

世界最大のスポーツの祭典まで1週間。

11月20日(日)19:00(日本時間21日(月)1:00)のカタール対エクアドルの試合で開幕する。ブラジルの初戦は、11月24日(木)22:00(日本時間25日(金)早朝4:00)の対セルビア戦となる。時差の関係で、日本時間では夜から早朝にかけて試合が行われる。睡眠不足に悩まされる日々が続くことになりそうだ。

(文/コウトク)

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