ジョイス・モレーノの来日公演決定。「フェミニーナ」を初演ヴァージョンで演奏か

2023年 06月 12日

0731_Joyce_Moreno_base_L2_2
ジョイス・モレーノ来日公演は7月31日~8月2日(画像提供/ブルーノート東京)

マルコス・ヴァーリ&アジムスの公演に続き、ブルーノート東京でのジョイス・モレーノの来日公演が決定した。

Jam Session会員先行予約は6月15日(木)から、一般web予約は6月18日(日)から開始される。

今回の来日公演は、1977年に録音されたまま幻の作品となっていた、当時行動を共にしていたシンガー・ソングライター、マウリシオ・マエストロをフィーチュアした作品「ナトゥレーザ」がテーマとなっている。

1977年にクラウス・オガーマンの指揮のもと、ニューヨークのコロンビア・スタジオで録音された「ナトゥレーザ」。

このアルバムは後にジョイスの代表曲となる「フェミニーナ」の初演ヴァージョンが収められていることでも知られている。

最終的にアルバムは発売が見送られ幻の作品となったが、収録曲のいくつかは形を変えて発表されている。

マウリリオとの共作「ミステリオス」は、翌1978年にミウトン・ナシメントが「クルビ・ダ・エスキーナ2」で取り上げたばかりか、その録音にはジョイス、マウリシオ、トゥッチも参加している。

この「ミステリオス」は、「フェミニーナ」と共に1980年作のアルバム「フェミニーナ」で再演された。

トゥッチ・モレーノ名が曲名反映された「モレーノ」も、1981年のアルバム「アグア・イ・ルース」で再演されている。

また、11分以上にわたる「フェミニーナ」の初演ヴァージョンは1999年、マーキュリー傘下のEmArcyが発売したコンピレーション・アルバム「A Trip To Brazil Volume 2: Bossa & Beyond」に蔵出し収録されて話題となった。

その後も、アルバム「フェミニーナ」は幻のままだったが、2022年に英国のFAR OUTレーベルが、全曲をアルバムの形で世に送り出した。

クラウス・オガーマンが指揮を務め、アル・シュミットもミックスで2曲に参加した「フェミニーナ」は、当時ジョイスと行動を共にしていた面々や合衆国在住のブラジル人ミュージシャンと、合衆国のジャズ・ミュージシャンとで録音された。

ブラジルサイドの参加は、ヴォーカルとリード・ギターでジョイス、ヴォーカルとリズム・ギターでマウリシオ・マエストロ。

マウリシオは「ミステリオス」「デスコンパッサダメンチ」、「コラサォン・ソニャドーリス」、「シクロ・ダ・ヴィーダ」でソングライティングも行っているほか、「コラサォン・ソニャドーリス」と「シクロ・ダ・ヴィーダ」ではリードヴォーカルを担当している。

現在のパートナー、トゥッチ・モレーノがドラムとパーカッション。ジョアン・パロマがドラム。ナナ・ヴァスコンセロスがパーカッション。

合衆国サイドでは、マイケル・ブレッカー(テナーサックス)、ジョー・ファレル(フルート)、バスター・ウィリアムス(ダブルベース)、ウォーレン・バーンハート(キーボード)など。

この「ナトゥレーザ」の収録曲を中心に構成されると思われる今回の来日公演のメンバーは、ブルーノート東京でもすっかりおなじみの顔ぶれ。

ジョイス・モレーノ(ヴォーカル、ギター)、トゥチ・モレーノ(ドラムス)、ホドウフォ・ストロエテール(ベース)、エリオ・アウヴィス(ピアノ)。

演奏と共に、ジョイス自身の口から「ナトゥレーザ」録音当時の貴重なエピソードも披露されることを期待したい。

公演会場はブルーノート東京(東京都港区南青山6-3-16)。

公演日程は2023年7月31日(月)、8月1日(火)、8月2日(水)の3日間で、1stステージはOpen5:00pm/Start6:00pm、2ndステージはOpen7:45pm/ Start8:30pm。ミュージックチャージは8,800円より。

Jam Session会員先行は電話予約・Web予約とも6月15日(木) 12:00pmから。一般Web予約は6月18日(日) 12:00pmから。一般電話予約は6月25日(日)12:00pmから。

詳細はブルーノート東京HP(https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/joyce/?utm_source=willmail&utm_medium=email&utm_campaign=press_230608)を参照。

(文/麻生雅人)