パリ・サン=ジェルマン ジャパンツアー2023始まる。第1戦、ネイマールは出場せず

2023年 07月 27日

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7月25日(火)、Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2023で対戦したパリ・サンジェルマンとアルナスル、ヤンマースタジアム長居(撮影/コウトク)

ヨーロッパのサッカーシーズンは、8月に始まり5月に終わる。そのため5月中旬から8月中旬がオフとなる。

そんなオフシーズンを利用して、今年も昨年(2022年)に引き続きフランスの名門クラブ、パリ・サンジェルマンが来日して日本ツアーを行っている。

昨年は「全員超人」をキーワードとして、メッシ(アルゼンチン代表)、ネイマール(ブラジル代表)、エムバぺ(フランス代表)の3人を中心に超豪華メンバーが来日し、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。試合のチケットはすぐに完売となり、練習まで有料で公開したほどだった。

今年は、メッシとエムバぺは参加していないものの、ブラジルの至宝、ネイマールは来日メンバーに選ばれており、チームのキャプテンでありセレソン(ブラジル代表)でも不動のCBとして活躍しているマルキーニョスなど、世界一流選手が揃っている。そんな選手たちのプレーをみることは、サッカーファンにとってとても楽しみなことだろう。

昨年は、Jリーグの3チームと親善試合を行ったが、今年は、Jチームに加え、世界の一流チームとの対戦も行われる。

というのも、今年はシーズンオフを利用して、パリ・サンジェルマンだけでなく、世界有数の強豪クラブであるマンチェスター・シティ、インテル・ミラノ、バイエルン・ミュンヘン、そしてクリスティアーノ・ロナウドを擁するサウジアラビアのアル・ナスルまでが来日しているからだ。そのため、日本に居ながらにして、世界の一流クラブ同士の対戦を観ることができるのだ。

今回パリ・サンジェルマンが行う3試合は以下のとおりである。

・7月25日(火)19:20 対アル・ナスル ヤンマースタジアム長居(大阪)

・7月28日(金)19:20 対セレッソ大阪 ヤンマースタジアム長居(大阪)

・8月 1日(火)19:20 対インテル・ミラノ 国立競技場(東京)

まずは、第1戦のアル・ナスル戦について、会場の様子から紹介していきたい。

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7月25日(火)、Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2023で対戦したパリ・サンジェルマンとアルナスル、ヤンマースタジアム長居(撮影/コウトク)

アル・ナスルと聞いてピンとこない方がいたとしても、クリスティアーノ・ロナウドが所属しているチームといえば理解してもらえるだろう。今回の対戦相手の選手の中では、間違いなく一番のビッグネームだ。

会場となったヤンマースタジアム長居には、ネイマールやエムバぺ、メッシのパリ・サンジェルマンのユニフォーム姿に加え、クリスティアーノ・ロナウドのユニフォームを着て観戦に訪れた人の姿も多く見られた。

試合開始30分ほど前に、選手のウォーミングアップが始まった。

パリ・サンジェルマンの選手の中にネイマールやマルキーニョスの姿はなかったが、アル・ナスルではクリスティアーノ・ロナウドが颯爽と現われ、チームメイトたちと練習を行っていた。このピッチへの登場から後半途中で交代するまで一貫して、クリスティアーノ・ロナウドの晴れやかな表情、立ち振る舞いは、とても印象に残った。

パリ・サンジェルマンの先発メンバーには、ネイマールもマルキーニョスも入っていなかった。

有力な選手としては、GKのドンナルンマ(イタリア代表)、右SBのハキミ(モロッコ代表)、左SBのリュカ・エルナンデス(フランス代表)、マルコ・アセンシオ(スペイン代表)といったところか。これだけでも十分に豪華なのだが、昨年の第1戦では、メッシ、ネイマール、エムバぺが揃って先発したことを考えると少し物足りなく感じてしまう。

一方のアル・ナスルは、エースでキャプテンのクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、MFフォファナ(フランス代表)、ブロゾビッチ(クロアチア代表)などが先発に名を連ねていた。クリスティアーノ・ロナウドが期待通り先発出場したことに、スタンドのファンたちは胸をなでおろしたことだろう。こちらは一切の出し惜しみはない印象だ。

試合は全体を通してパリ・サンジェルマンがボールを支配し、アル・ナスルはカウンターで応戦という図式だった。

パリ・サンジェルマンは前線で細かいパスを繋ぎ攻め立てはするのだが、ゴールを奪えないでいた。

一方のアル・ナスルは、カウンター中心だが、ボールを奪取したら最前線のクリスティアーノ・ロナウドにボールを集めるという形を一貫して取っていた。

対戦チームの力量差がある場合、前線で孤立することも考えられるが、けっこうな頻度でクリスティアーノ・ロナウドにボールが入っており、その度に会場が沸いた。シュートも何度も打てていた。特に、前半終了間際のオーバーヘッドでのシュートは惜しくもゴールにはならなかったが、最大の見せ場でこの日もっとも会場を沸かせたシーンだった。

クリスティアーノ・ロナウドは後半19分でピッチを退いた。

パフォーマンスは全盛期には及ばないと思うが、いい表情でプレーできており、後半開始時も真っ先にピッチに出てくるなど、チームメイトたちに対し率先垂範しているようだった。そんなクリスティアーノ・ロナウドの姿を見ることができたことは一サッカーファンとしてとても嬉しいことだった。

パリ・サンジェルマンは、後半15分に一気に9人のメンバーを交代した。

キャプテンのマルキーニョスがここで出場した。そしてなんとエムバぺの弟MFイーサン・エムバぺもピッチに入ったのだ。

兄のキリアン・エムバぺとはポジションは異なり、中盤の底が主戦場だった。ウェーブした長い髪をなびかせ、なかなかのパフォーマンスを見せてくれた。

しかし、見たいのは何といってもネイマールだ。観客全員が思っていることは同じで、スタンドから何度となくネイマールコールが叫ばれていた。

この試合でネイマールが現れたのは、後半開始直前だった。グランドに出てきた瞬間、大型ビジョンにも映され、会場から大歓声が起こった。

しかし観客からのコールも叶わず、この試合でのネイマールの出場はなかった。

結局、最後まで両チームともにゴールを奪えず、0-0で試合終了。スコアレスドローに終わった。

ネイマールがピッチ上に現れたのは、試合が終わった後だった。

クールダウンを行うチームメイトたちと一緒に、ピッチ上をゆっくりとランニングしていた。この時も、スタンドからは、ネイマールに向けて歓声が飛び交っていたが、ネイマールはどのような思いで聞いていたのだろうか。

多くのサッカーファンにとってこの日の試合の最大の注目は、ネイマールとクリスティアーノ・ロナウドのクラッキ対決ではなかっただろうか。この2人は奇しくも同じ誕生日ということもあり、お互い意識しないことはないだろう。

クリスティアーノ・ロナウドが後半19分で交代した後、この2人のピッチ上でのマッチアップは叶わなくなったが、両者の対決を見たいと思ったのは、スタジアムを訪れた観客共通の願いだったのではなかろうか。

残り2試合ではネイマールの雄姿が見られることを期待して、会場を後にした。

(文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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