パリ・サン=ジェルマン ジャパンツアー第2戦 対セレッソ大阪戦。セレッソ大阪が香川のゴラッソで勝利!

2023年 07月 29日

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2023年7月28日、ヤンマースタジアム長居。パリ・サン=ジェルマン対セレッソ大阪(撮影/コウトク)

パリ・サン=ジェルマン(以下PSG)ジャパンツアーの2戦目が、7月28日(金)19:20から1戦目と同じ大阪のヤンマースタジアム長居で行われた。相手は、Jリーグチームのセレッソ大阪(以下セレッソ)である。

スタジアムに向かうサポーターたちは、PSGのエムバぺやネイマールのユニフォーム姿に加え、セレッソのピンク色のユニフォーム姿の人も目立った。

スタンドに入ったのは、第1戦とほぼ同じキックオフ30分前ぐらい。観客の入りは、1戦目とほぼ同じように映った。

ピッチでは選手たちがウォーミングアップをしていたが、ネイマールの姿は見当たらなかった。

先発メンバーは、1戦目とは若干変わっていた。大きなところではキャプテンのマルキーニョスが入ったことだ。GKのドンナルンマ(イタリア代表)とアセンシオ(スペイン代表)が前試合と同様に先発した。第1戦では、リュカ・エルナンデス(フランス代表)、ハキミ(モロッコ代表)がいただけに、今回はそれよりも格落ちした感じだ。

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2023年7月28日、ヤンマースタジアム長居。パリ・サン=ジェルマン対セレッソ大阪(撮影/コウトク)

試合はPSGがやや優勢にゲームを支配していた。

PSGは優勢ながらもなかなかゴールを奪えなかったが、17分にきれいな形でゴールが決まった。ウォーレン・ザイール・エメリー(フランス)のシュート性のクロスをヒューゴ・エキティケ(フランス)がゴール前で合わせて、このツアーでのPSG第1号ゴールを決めたのだ。

これでPSGペースのゲームになると思いきや、その5分後にセレッソがすぐに追いついた。

GKからのゴールキックをPSGのDF陣がうまく処理できず、走り込んでボールを受けたジョルディ・クルークスが落ち着いて決め、簡単に追いついたのだ。

その後もPSGが若干優位に攻撃を組み立てるが、迫力ある攻撃はできておらず、ほとんど力量差を感じさせなかった。

前半は1-1で終了した。

後半は、試合開始と同時にセレッソがレオ・セアラ以外GKも含め10人が交代した。香川真司もキャプテンマークを巻いてここから登場した。

試合後の会見で小菊監督が話していたが、香川の後半からの投入は最初から決めていたことらしい。試合から遠ざかったりして試合勘のない選手たちの間で引っ張っていってほしいとの思いで、意図的に後半から入れたとのことだった。

後半は、そんなセレッソの入りがよかった。細かく繋がれた攻撃から何本かミドルシュートを打っていた。

しかし、そんな中、49分にPSGにゴールが決まる。PA内で1点目を決めたヒューゴ・エンティケのヒールパスからうまく抜け出したヴィティーニャ(ポルトガル代表)が落ち着いて決めたのだ。

その後、60分の時点でPSGはマルキーニョスからハキミへ交代した。

この日プレーした唯一のブラジル人のマルキーニョスだったが、可もなく不可もなく無難にプレーしていたという印象だ。定位置はCBだが、この日のポジションは純粋なCBではなかった。試合序盤には4バックの右SBに見えたが、よく見たら3バックの右のようだった。

しかしハキミに代わり、マルキーニョスとは違い積極的にオーバーラップを繰り返し攻撃の起点となり、数多くのチャンスをつくり出していた。ハキミが入ってからは、通常の4バックの右SBとしてプレーしており、先のW杯カタール大会でも見せていた右サイドをえぐるような攻撃を繰り返し、存在感を見せていた。

そして64分PSGは5人選手を代え、ここでリュカ・エルナンデスとヴェラッティ(イタリア代表)が入った。

リードを奪ったPSGだが、またもDFのミスからセレッソにゴールを献上してしまう。

PSGのDFからボールを奪った渡邉りょうのクロスをゴール前にいた北野颯太がGKとの1対1を制し見事にゴールを決めたのだ。

これで、またも同点となった。

その後はまさに互角の勝負といったところ。オフシーズンのPSGとオンシーズンのセレッソということでコンディションには違いがあるとは思うが、特に世界的なプレーヤーを揃えたPSGに対し、セレッソはまったく劣っていなかった。

そんな中、セレッソに目が覚めるようなゴールが決まった。あまりの一瞬のことで誰が打ったのかわからなかったが、決めたのは香川真司だった。

PA少し外でパスを受けた香川が蹴った球は、ゴール右上隅のGKが一番取れないところにきれいな弧を描いて吸い込まれていった。まさにゴラッソだった。

試合後の会見で小菊監督も話していたが、香川には相当期待しているし、その期待に応え、おいしいところを全部持っていってくれたと喜びの声で語ってくれた。

時折スタンドからネイマールコールが聞こえたが、この日もネイマールは出場せず。前後半90分終始ベンチに座ったまま過ごすことになってしまった。

試合は、そのまま3-2でセレッソの勝利で終わった。

試合後、ミックスゾーンで、先制点のアシストをしたウォーレン・ザイール・エメリー選手が記者の質問に応じてくれた。

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2023年7月28日、ヤンマースタジアム長居。ウォーレン・ザイール・エメリー選手(撮影/コウトク)

「我々は新チームが始まったばかり。相手のセレッソはシーズン中ということでその差はあったと思う」

「エンリケ監督の戦術は、オフェンス(攻撃)がメインでその指示を受けている。動画なども選手がやりやすい・わかりやすいように作ってくれている」

「香川真司選手は、入った時からとてもいい選手であるとの印象を持った」

「次のインテル・ミラノ戦へ向けてまずは十分に休養してしっかりとした準備をしたい」と語ってくれた。

エメリー選手は2006年生まれの17歳。2試合連続で先発出場を果たしている。試合を終えた安堵感に包まれ、とても優しそうな表情が印象的だった

その後、セレッソの小菊監督の会見が開かれた。

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2023年7月28日、ヤンマースタジアム長居。セレッソ大阪の小菊監督(撮影/コウトク)

「まずは、世界の強豪チームと対戦して勝てたことを嬉しく思う」

「掲げたテーマは2つ。勝ちにこだわることと、出た時間で100%アグレッシブにトライすること」

「試合中ずっと嬉しかった。それは試合に勝てたからではない。選手たちが最初からひるむことなく攻守にアグレッシブにトライしてくれたからだ」

「素晴らしい相手と素晴らしい雰囲気で試合が出来たことに感謝したい」と、とても充実感のある表情で述べていた。

さて、PSGのジャパンツアーは、舞台を東京に移しあと1戦を残すのみとなった。

2戦を終えて1分け1敗とメンバーの豪華さだけでなく試合結果についても昨年と比較すると寂しい限りである。

ネイマールはこのツアーに帯同されたので、プレーできるレベルかと思っていたが、ケガの状態は思った以上によくないのかもしれない。これからの大事なシーズンを考えると無理はしないでほしいと思う。

最後の試合は、8月1日(火)19:20から国立競技場で、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ準優勝のインテル・ミラノと戦う。どのような戦いを見せてくれるか、注目していきたいと思う。

(文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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