2026年W杯最終予選:日本代表対中国代表戦 試合前日公式練習および公式会見

2024年 09月 5日

FIFAワールドカップ2026年大会に向けたアジア最終予選がいよいよ始まる。日本の初戦は、9月5日(木)に中国代表を相手に、埼玉スタジアムで行われる。試合に先がけ、公式練習および公式会見の様子を紹介したい。

この日のスケジュールは、日本代表の公式会見、公式練習、中国代表の公式会見、公式練習という順番で行われた。

まずは日本代表の公式会見である。

会見場には、森保一監督と遠藤航選手が登壇し、試合への決意を語った。

特に印象深かったのは、前回大会の最終予選時とのチームの違いについて、2人ともが「個の成長」を挙げていたことだ。チームが強くなるために、日本のサッカーが強くなるために、個の成長が欠かせなく、個の成長が今のチームの強みであると語ってくれた。

続いて、日本代表の公式練習がメディアに公開された。

練習が始まる前に選手たちはグランドのベンチ前で待機していたが、選手たちは清々しくとてもよい表情をしていた。久しぶりの代表戦となり、再会を喜んでいるように感じられた。

森保監督が選手たちへ簡単な指示を行い、公式練習が始まった。

まずは軽くランニングをグランド2周程度し、その後全員で丸い輪になりストレッチで体をほぐした。そしてボールを使った練習。フィールドプレイヤーが8人ずつ3組に分かれ、大きな鳥かごのような練習を行った。

今回新たにコーチとして加わった長谷部選手もコーチ用のトレーニングウェアを身に着け、主力組の8人に混じり一緒に鳥かごをやっていた。2年ほど前まで代表キャプテンを務めていただけあり、選手の多くは周知の仲である。立場は違うが、積極的に選手の中に入り活動していることが感じられた。

あっという間にメディア公開の15分間が終了した。

練習を行った場所が、メディアの取材エリアのすぐ近くだったため、選手たちの話している声や息づかいなどがとても強く感じられた。

そして、中国代表の公式会見である。

日本代表に比べるとメディアの参加者はだいぶ少なく感じた。参加者の多くは中国メディアのようだ。中国代表チームの到着が遅れたため、定刻より少し遅く始まった。

登壇したのは、イヴァンコビッチ監督とウー・レイ選手。

質疑応答の前に監督と代表選手がコメントを話すところは日本代表と同じだが、イヴァンコビッチ監督の熱弁ぶりはすごかった。相当な話し好きなのかサービス精神旺盛なのかわからないが、思いのたけに話してくれた。

このイヴァンコビッチ監督はクロアチア人なのだが、過去様々な場面でいろいろなナショナルチームの指揮官として日本代表と対戦し、ことごとく日本代表を破っている。今回も相当に日本対策をしているようで、日本代表をリスペクトしながらも、内に秘めた自信が感じられた。日本代表にとっては非常に不気味である。

ウー・レイ選手はヨーロッパでのプレー経験があり、ヨーロッパで活躍する日本選手に触れながら決意を話してくれた。

中国代表の公式会見が終わり会見場の外に出ると、すぐにミックスゾーンがあり、練習を終えた日本代表の選手たちが記者の質問に応じていた。

前田大然選手、中村敬斗選手の声が聞けたので紹介したい。特に印象に残った言葉は以下の通り。

前田選手

「もう若手という年齢でもないし、いろいろと経験して、役割も複数こなし自信がついてプレーできているように思う。左サイドは三笘選手、中村選手と激しいポジション争いはあるが、3人それぞれ特徴が違い、3バックの採用などで同時にピッチに立つ可能性もあり、3人それぞれ特徴が違うので、それを活かしてしっかりプレーしていきたい」

中村選手

「アジアカップでアジアの難しさを感じた。アジアの難しさを打開するためには、ワンチャンスや決めるところできちんと決めること。個での仕掛けや、ゴールに直結するプレーを意識してやりたい。伊東純也選手とはクラブでも一緒で、特徴もよくわかっているので、一緒にピッチに立つ機会があれば、お互いの特徴を活かしてプレーできると思う。伊東選手に限らず代表にはよい選手ばかりなので、どんな選手とでもお互い活かしながらよいプレーをしていきたい」

その後中国代表の公式練習が行われたが、予定より30分ほど遅れて開始された。

日本代表の公開練習ではウォーミングアップではピッチ全体を使ったランニングから始まり、公開時間中は終始メディアの取材エリアに近いところで練習を行っていた。しかしながら中国代表は、ウォーミングアップからボールを使った練習まで、公開時間中終始、取材エリアからもっとも離れた場所で、練習を行っていた。

ア・ラン(アラン)選手、フェイ・ナンドゥオ(フェルナンジーニョ)選手とブラジルから帰化した選手も2名おり、日本代表に比べチームとして十分に練習を積んできており、選手たちが全体的に機敏な動きをしているように感じられた。

15分間の公開時間が終わり、会場を後にした。

日本代表にとって、ワールドカップ最終予選の初戦はいつも苦戦しているが、今回はどのようになるのだろうか。どんな試合になるのか、注目の対戦は間近だ。 (文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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