ワインの名産地ブラジル南部、今年のブドウは高品質
2018年 01月 21日日本でも認知度をあげつつあるアウローラ、カーザ・ヴァウドゥーガ、サウトン(サルトン)、ミオーロなどのブラジル産ブランドワイン。比較的涼しく、ヨーロッパからの移民の子孫が多い南部にはワイン文化が根づいており、上記の銘柄を生み出したブドウの一大産地となっている。
その南部は今季、天候に恵まれてブドウの出来がとてもよいようだ。
TVグローボが1月21日づけでアグリビジネス報道番組「グローボ・フラウ」で伝えたところによると、リオ・グランヂ・ド・スウ州のセーハ・ガウーシャ(ガウーシャ高原)で例年より早い収穫が見込まれているという。
今年は天候に恵まれたためブドウの成熟が早く、例年より20日ほど早く12月から収穫が始まっている。
「まさか年末より前から収穫が始まるなんてことは予想していませんでした」(ブドウ農家パウロ・ヴァリアッティさん)
セーハ・ガウーシャ(ガウーシャ高原)では平均で摂氏7度以下まで下がるのが年間410時間だが、2017年の冬(6-8月)は188時間だった。9月は気温が高く、日照時間が長かったこともブドウの成熟と収穫サイクルを早める要因になったとのことだ。
この地域の今季の収穫高は72万トンを見込んでいる。州内の生産高の約90%にあたる量だ。これは前年比マイナス20%だが、歴史的豊作と言える量だという。
量だけでなく質の高さがワイン生産者を喜ばせている。
ワインの一大産地であるベント・ゴンサウヴェス市でブドウ農園を経営しているジウソン・トマジさんはすでに一部の収穫を終えているが、今季全体の収穫について次のように語っている。
「今季のブドウは見ての通り、とても質が良く、甘さもちょうどよくて仕上がりは上々です。量に関してはそれほどでもないですが、とてもいい収穫期を迎えらえそうです」(ジウソン・トマジさん)
農園で生産されたブドウはほとんどワイン生産者に回り、そこでは60万トンのブドウがワインに生まれ変わる。
今季のブドウ1キロあたりの取引価額は前季と同水準の0.92レアル(約32円)とのことだ。
(文/原田 侑、写真/Reprodução/Globo Rural/TV Globo)
写真は「グローボ・フラウ」よりワインの名産地ベント・ゴンサウヴェスの農場。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)