歌のように鳴く小鳥、「ウイラプルー」の伝説
2013年 07月 12日ブラジルには日本と同様に、大手流通網を持つスーパー、地元資本のスーパー、大衆向けスーパー、高級スーパーなど、さまざまなスーパー・マーケットがあります。
最新のトレンドに乗っかったモノなら高級スーパー、その土地ならではのご当地産物や地方メーカー品なら地元の資本スーパーと、同じ町の中でもタイプの異なるスーパーを見て回ると、ターゲットとなる消費層の異なるさまざまなモノに出会うことができます。
そんな、ブラジルのスーパー・マーケット、スーペル・メルカードで見つけたモノを紹介しながら、モノを通してブラジルの文化に触れちゃおう、というコラムです。よろしくお願いします。
第一回の今回は、コーヒーパックです。
ブラジルのスーパーでよく見かけるコーヒーといえば、「Pilão(ピラォン、ピロン)」、「Caboclo(カボクロ)」、「3 Corações(トレス・コラソンイス)」などが広く親しまれています。
近年、ブラジルのスーパーでは、より品質の高い商品、ちょっとシックな商品が並ぶようになってきましたが、コーヒーパックも然り。「Café Cantares(カフェ・カンターリス)」も、そんな、こだわりを持って作られている商品の中のひとつです。
リオデジャネイロ州にあるカフェ・カンターリス社のコーヒー豆(アラビカ種)が作られているのは、豊かな自然に囲まれたSerra Fluminense(セーハ・フルミネンシ)地方。
丹念に栽培され、太陽の陽を浴びて実が赤く熟すまで木になったままにして、それから丁寧に収穫して、ゆっくり乾燥させて焙煎するため、上品な香りと味わいになるのだそうです。
商品にもつけられている会社のトレードマークは、小鳥。羽根の部分がコーヒー豆になっている、お洒落なデザインです。
さて、このカフェ・カンターリスのマスコットとなっているのが、伝説の小鳥「ウイラブルー」という小鳥です。
正式な名前はUirapuru-verdadeiro(ウイラプルー・ヴェルダデイロ)。ウイラプルーの名前の語源は、先住民族トゥピ・グアラニー語の“wirapu‘ru”とのこと。
アマゾン地方に広く生息する小鳥で、まるで音楽のように、とても美しい声で鳴くことで知られているため「コルネット」、「音楽家」、「森の音楽家」とも呼ばれるそうです。声は美しいけれど滅多に見ることができないことから、さまざまな伝説が語られるようになったそうです。
そのうちのひとつは、こんなお話だそうです。
とある先住民族の部族の長が結婚することに。部族には彼のことを好きな娘が二人いたため、結婚できなかった娘は悲しみに暮れ、自分たちの神トゥパンを訪ねて自分を鳥にしてほしいとお願いします。鳥になった彼女は、姿を見せずにいつも歌いながら彼らを見守り続けました。
ウイラプルーは幸運をもたらす小鳥とも言われ、特に恋愛に関して幸運をもたらしてくれるといわれているそうです。
ウイラプルーの声はカフェ・カンターリスのHPで聴くことができます。