武蔵大学が日系ブラジル人歌手ジョー・ヒラタの来日講演会を開催

2024年 10月 3日

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ジョー・ヒラタ、自身のCDとともに(画像提供/アンジェロ・イシ)

武蔵大学ジェンダー・ダイバーシティ研究会は10月8日(火)、ブラジルから来日する日系移民歌手ジョー・ヒラタを迎えて講演会を開催する。

ブラジル南部パラナ州マリンガ市出身の日系3世のジョー・ヒラタは、8歳から歌いはじめ、アマチュア歌手としてブラジル国内や日本で数々のコンクールに出場して、着実に夢に向かって活動していた。

ブラジルでは童謡コンクールで準優勝、ポップスのコンクールで優勝しているほか、日本でも日本アマチュア歌謡連盟(NAK)が主催する全国大会に出場して審査員特別賞を受賞したという。

夢を実現するため、1988年に来日して6年間、デカセギとして工場労働に従事しながら、歌の歌詞を書き溜めていった。

今書いているこの歌を、いつの日にか自分で歌いたいと常に母親に伝えていたが、作詞をはじめて2年後、母親は病気で他界してしまった。そのころ書かれた「レンブランサス」は、今もジョー・ヒラタの代表曲となっており、母親に捧げられている。

工場労働に従事しながら、「NHKのど自慢」に出場。1993年度の大会で勝ち抜き、1994年、同番組において“外国人”として初の年間グランドチャンピオンに輝いたことは、6年の日本滞在におけるグランドフィナーレとなった。

複数のプロダクションからスカウトもあったが、家庭の事情でブラジルに帰国。その後、改めて歌手としての活動を本格的にスタートさせて、今ではサンパウロ市を拠点に活動する最も有名な日系ブラジル人歌手となっている。

今回の講演会では、10月5日(土)、6日(日)に静岡県浜松市で開催される「ブラジリアンデージャパン浜松2024」に出演するために来日するジョー・ヒラタが、ブラジルで歌い始めたころの原体験や、日本での“デカセギ労働”の経験などを歌を交えて語る。

また、武蔵大学ジェンダー・ダイバーシティ研究会メンバーであり、ジョー・ヒラタの活動をウォッチし続けている武蔵大学社会学部のアンジェロ・イシ教授が、ジョー・ヒラタの芸能活動の意義、移民アーティスト特有のジレンマと可能性について解説する。

武蔵大学ジェンダー・ダイバーシティ研究会主催 
「ブラジル日系移民歌手による講演会:Joe Hirataを迎えて」
日時:10月8日(火)17:30~19:30
場所:武蔵大学江古田キャンパス 8702教室(8号館7階)
プログラム:主催者挨拶、Joe Hirataトーク、アンジェロ・イシによる解説、Q&A
主催:武蔵大学ジェンダー・ダイバーシティ研究会
参加無料

申込み無しでも参加可能ですが、準備の都合上、参加の事前登録を歓迎します。
事前登録フォーム:https://forms.gle/7SLkUwB9w475GkVJA
問い合わせ:アンジェロ・イシ(武蔵大学社会学部教授)angelo@u.musashi.ac.jp

(文/麻生雅人)