高品質カカオ生産で森林の環境保全を推進。バイーアのカカオ生産の取り組み
2014年 09月 25日カカオ豆は品種だけでなく、産地・発酵・焙煎などにより、苦味、酸味、コク、香りなどのバランスが異なってくるため、価格、風味、特徴の面を考慮し、複数の産地のカカオマスをブレンドして原料として用いることが一般的です。
また、チョコレートの製造過程における原料の混合率や磨砕・精錬の方法など生産者独自のノウハウにより、チョコレートの風味は大きく異なってきます。
カカオの専門家やチョコレート愛好家によると、ブラジル産カカオは、全体的にはウッディー感、スパイシー感が特徴のものが多いということです。
そのため、ブラジル産カカオで作られたブラジル産チョコレートは、樹木を思わせる個性的な香りに加え、ナッツやコーヒーの芳醇な香りがあり、ややくせの味わいがあるとのこと。また、チョコレート製造技術が未熟なためか、雑味が残り、香りの豊かさに物足りなさを感じ、なめらかな舌触りに乏しい印象があるようです。
しかし、バイーア州のカカオ農園を襲った病気「バッソラー・デ・ブルーシャ(魔女のほうき)」によって昔ながらの古い品種が壊滅状態になったため、それ以降はハイブリッドが増えており、醗酵の技術などでポテンシャルを引き上げているということです。
つまり、ブラジル産カカオの品質自体は他に引けを取っておらず、よって、チョコレートの製造技術の向上次第で、ブラジル産チョコレートの完成度は格段に高まると言えます。
そういう意味で、カカオの品質とチョコレート製造工程の双方を一括してコントロールできるブラジルのTree to Barブランドは、大きな潜在能力を秘めていると言えます。
(写真・文/井川裕美子)
写真はカカオの品質からチョコレート製造までを一括管理するTree to Bar