カテゴリ : エンターテインメント トラベル
2016年 06月 5日 13:54
版画風のイラストやグラフィティアートで知られるデルロンが2015年に制作した作品のひとつに「mulheres rendeiras(ムリェーリス・ヘンデイラス、編み物職人の女性たち)」(図版上)がある。
これはムリェール・ヘンデイラ(編み物職人の女性)にオマージュを捧げた作品だが、主に女性たちによって手作りで作られるボビンレース(ヘンダ・ジ・ビウホ)やニードルレース(ヘンダヘナッセンサ)による手工芸品もまた、北東部名物のアルテザナート(民藝アート)として知られている。「ブラジルウイーク」で展開中のレース編み商品については、「UM ABRAÇO! ブラジルウイーク ~フェイラ・コロリーダ~」WEBガイドで紹介されている。
北東部では、フェイラ(市)でも、レース編みをしながら製品を売る女性たちを見ることができるが、ムリェール・ヘンデイラ(編み物職人の女性)たちもまた、北東部を象徴する存在となっている。
そんな彼女たちのことを歌詞に登場させた歌が、1920年代初頭に作られた「ムリェール・ヘンデイラ」。この歌は、北東部を跋扈した盗賊ランピアォンを題材にした1953年のブラジル映画「オ・カンガセイロ」で主題歌に使われたところ、同映画がカンヌ映画祭でアドベンチャー映画賞・サウンドトラック賞を受賞したことから、歌も世界中で知られるようになった。
この歌の作者については諸説があるが、定説によると作者は北東部を跋扈した盗賊ランピアォンだといわれている。ランピアォンの祖母もまたムリェール・ヘンデイラ(編み物職人の女性)で、彼女の誕生日に、敬意を表してこの歌を送るためにランピアォンが、1921~1922年に書いたといわれている。
その後、ランピアォン一味の元構成員だったという通称ヴォウタ・セッカも1957年に録音したほか、世界14か国で7か国語で歌われ、現在までに120ヴァージョンが存在するという。1971年にアストラッド・ジルベルトが「ブラジリアン・タペストリー」のタイトルで歌ったこの歌は、本館1Fザ・ステージで聴くことができる。
「UM ABRAÇO! ブラジルウイーク ~フェイラ・コロリーダ~」は伊勢丹新宿店にて6月7日(火)まで開催。北東部の版画アート、ニードルレース編みのテーブルセンターやドイリーは、本館5Fセンターパーク、ボビンレース編みのアクセサリーは本館1Fアクセサリー/プロモーションにて販売中。
(写真・文/麻生雅人、イラスト(デルロン作「ムリェーリス・ヘンデイラス」)/Reprodução/blog DERLON)
■関連記事
・鳥や動物、盗賊まで…北東部名物の陶芸人形がずらり。伊勢丹新宿店「ブラジルウイーク~フェイラ・コロリーダ」
・何気ない日用品にあふれるブラジルらしさを紹介。伊勢丹新宿店「ブラジルウイーク~フェイラ・コロリーダ」
・ブラジルの多様な食文化が集合。伊勢丹新宿店「ブラジルウイーク」
・伊勢丹新宿店「ブラジルウイーク」に貴重なカシャッサが上陸
・6月1日(水)開幕。伊勢丹新宿店「ブラジルウイーク」のWEBガイドが公開