リオ五輪女子マラソン、表彰台はアフリカ勢

2016年 08月 16日

リオ五輪 女子マラソン

さて、レースは序盤30人ほどの先頭集団を形成し、日本人選手3人もその中に含まれていたが、9キロ地点ほどで、先頭グループは2つに分かれ、日本人選手は後方グループに含まれてしまった。

その後、伊藤が遅れ、福士は一旦先頭グループに追いつくが、先頭グループをキープすることができず、遅れ始めた。

結局日本人選手は、そのまま先頭集団に戻ることはできず、福士が14位、田中が19位、そして伊藤は44位という結果に終わった。残念ながら日本人選手は入賞することはできず、表彰台はアフリカ勢が占めた。

レースを終えた選手たちのインタビューを聞くと、「とにかく暑かった」ようだ。

リオは暑いには暑いが、今、季節は冬だ。日本の夏に比べると、まだましな感じはするが、太陽の日差しはとても強いものがある。それが、ボディーブローのように体にダメージを与えたのだろう。

1~4位はアフリカ勢が占めたが、5位にベラルーシの白人選手、そして6、7、9位にアメリカの白人選手たちが入った。この結果を受けて、日本人選手たちもやりようによっては、十分に入賞は狙えたのではないかと思った。しかし、強烈なプレッシャーの中でこの舞台に立っているのだ。3人ともに無事に完走できたことは、ホッとしたことだろう。

リオ五輪 女子マラソン

最後に1点、大会運営上、気になったことについて述べたい。あまりにコースへの乱入者が多く現われたことだ。

ブラジルでは、国際的なマラソン大会をほとんど開催していないので、ブラジル国民にとって、マラソン競技がどういうものかわかっていない部分もあったのかもしれない。しかし、乱入者の行動は一歩間違えると大変なことになる。警備の警察官が、すべて排除していたが、あまりにその姿が目立ち、ハラハラさせられた。最終日には男子マラソンもあるし、防犯対策は今一度見直したほうがいいように感じた。

さて、次のオリンピックは、4年後、地元、東京開催となる。かつては、お家芸と言われたマラソン競技。何とか、意地を見せられるような戦いが繰り広げられるよう期待したい。

(文/コウトク、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)

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著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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