スーパーフード、2017年秋冬もレッドフルーツがトレンド。カカオニブ、ファッロなども注目集める

2017年 06月 26日

ファッロ スーパーフード

第10位 ファッロ(farro)

グルテンフリーの広まりを受け、健康食品やスーパーフードの観点からは日陰の身になりつつある小麦。しかし日本スーパーフード協会によると、ファッロは小麦アレルギーを発症しにくく、一般の小麦に比べてミネラルやビタミンなどの栄養価が高いことで注目を集めているという。

ファッロとは、品種改良が行われる前の古代小麦のイタリア語の呼び名。

「CEREALI E SALUTE Triticum dicoccum ad elevata tollerabilità」(CERMIS:Centro Ricerche e Sperimentazione per il Miglioramento Vegetale “N. Strampelli”)によると、大きく分けて、ファッロ・ピッコロ/Farro piccolo(Triticum monococcum)、ファッロ・メディオ/Farro medio(Triticum dicoccum)、ファッロ・グランデ/Farro grande(Triticum spelta)の3種がある。

京都大学農学研究科の河原太八准教授によるとこの3種の違いは遺伝子の倍数性に基づく区別が可能で、モノコッカムコムギ(Farro piccolo(Triticum monococcum))が二倍型、エンマーコムギ(Farro medio(Triticum dicoccum))が四倍型、スペルタコムギ(Farro grande(Triticum spelta))が六倍型とのこと。

ただしファッロは「一般的にはエンマーを指すと考えてよく(中略)、とくにパスタの原料となっているときは、四倍性のディコッカム (エンマー) と考えて間違いない(六倍性のコムギで麺をつくると、粉の質が違うのでパスタにならず、「うどん」 や 「そうめん」 になります。ファッロ (スペルト小麦) と書かれていることが多いですが、ほとんどの場合は間違いで、ファッロ(エンマー小麦)になります)」という(「栽培植物起原学セミナー 番外編(1)『ホワイトナイル』ビール(黄桜)のエンマーコムギ (改訂版)」より)。

日本スーパーフード協会は、粒状のファッロは茹でてサラダに加えたり、スープに入れて使われることが多く、粉状のものは小麦粉と同様にパンやケーキ、パスタなどの材料に使えるとしている。

第9位は…(次ページへつづく)

(文/麻生雅人、写真提供/日本スーパーフード協会)