ロシアW杯、ブラジルはグループリーグ1位で決勝トーナメントへ進出

2018年 06月 28日

パウリーニョ

そして前半36分。コウチーニョ(バルセロナ)の好判断からのダイレクトパスに、パウリーニョ(バルセロナ)が絶妙の飛び出しから、ワンタッチで相手GKの頭上を越すループシュートでゴールを決めた。

このゴールでブラジルはだいぶ楽に試合を運べるようになった。

そのまま、前半は、1-0で折り返した。

後半に入りしばらく経つと、セルビアに押し込まれる場面が続いた。ブラジルは中盤でルーズボールを奪うことができず、ボールがキープできなくなったのだ。

それでも何とかしのぎ続けていたブラジルは、後半23分、ネイマールのCKから、チアゴ・シウヴァ(パリSG)がヘッドで決めて貴重な追加点を奪うことができた。

チアゴ・シウバ

ブラジルは、パウリーニョからフェルナンジーニョ(マンチェスターシティ)、コウチーニョからへナト・アウグスト(北京国安)へと交代し、守備を固めた。

特に、中盤のカゼミーロ(レアルマドリッド)の隣にポジションを取ったフェルナンジーニョは、守備のバランスを整えていた。

そのまま2-0でブラジルが勝ち、グループリーグ1位となり、決勝トーナメント進出を決めることができた。

ネイマールも前2試合とは違い、体のキレが感じられ、終盤には何度か決定的なチャンスがあった。

今のネイマールは、守備もきちんとこなし、自分本位ではなく、味方選手とも十分に連携してプレーしている。4年前の大会で指摘されていた“ネイマール依存症”は完全に脱却できているようだ。

ネイマール

コウチーニョを筆頭に、ガブリエウ・ジェズース(マンチェスターシティ)、ウィリアン(チェルシー)、パウリーニョといった攻撃陣がネイマールに勝るとも劣らない動きを見せている。

最前線のガブリエウ・ジェズースはゴールこそ決めていないが、最前線での相手選手への猛烈なチェイシング、そして守備でもバックラインまで走り回り、献身的にプレーしており、非常に貢献度の高い選手だ。

ブラジル選手のコンディションは上がってきているように見える。

グループリーグも残すところ、日本の属するグループHとイングランド、ベルギーが進出を決めているグループGだけとなった。

決勝トーナメントについては、その2組4カ国を除く12カ国の組み合わせが決まっている。

次のブラジルの試合は、7月2日(月)18:00(日本時間23:00)ロシア南部サマーラでメキシコを相手に行われ、NHK総合で生中継される予定である。

決勝トーナメントはノックアウト方式の一発勝負なので、どの試合も手を抜けない。簡単に勝てる試合はないだろうが、素晴らしい戦いを期待したい。

(文/コウトク、写真/Lucas Figueiredo/CBF)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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