ブラジル南東部で静かなブーム!? 新注目のフルーツ「カンブシ」とは

2018年 10月 4日

カンブシ リキュール

カンブシの生産地はブラジル南東部エスピリトサント州から南部サンタカタリーナ州にかけて、海岸沿いにそびえるセーハ・ド・マール(海岸山脈)に沿って分布している。

この地域はカンブシ・ルートと呼ばれ、約100か所の生産農場でカンブシを栽培・収穫している。

ここ10年で植林・栽培から収穫までの流れは商業的、システマティックに構築されており、収穫した果実はカシャッサ(サトウキビからつくられる蒸留酒)をベースにした果実酒やジャムだけでなく、洗練された味わいの料理にも使われている

カンブシの種は、生産地がある10市町村が共同で運営しているインスチチュート・アウアー(アウアー研究所)で管理されており、市場で売買はされていない。

「カンブシの種は鳥の餌やグアバの種くらいで、とても小さく、発芽に至るまでかなり手がかかります。現段階で発芽させれるのは1-2人の農家で、発芽のメカニズムについてまだ詳細な研究はなされていません」(インスチチュート・アウアーの広報コーディネーター、アナ・セシリア・ブルーニ氏)

種からカンブシの苗木を育てるのを困難にしているのは、この果物が収穫されたらすぐに冷凍されてしまう点だ。流通・販売するには冷凍保存が必須だが、果実を冷凍してしまうと中の種子は発芽しない。

カンブシの実に入っている種から育てることはできなくても、サンパウロ州オザスコ市にあるインスチチュート・アウアーから苗木を買うことができる。ただし、郵送等は行われておらず自分で取りに来ることができる人にのみ販売しているとのことだ。

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(文/原田 侑、写真/Reprodução/TV Globo/Globo Rural)
写真はカンブシのリキュールなど。グローボ系列のアグリ情報番組「グローボ・フラウ」より。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)