もうすぐコパアメリカ開幕!今大会は、日本も招待出場。

2019年 06月 13日

コパ・アメリカ2019のトロフィー。7月7日に優勝チームに贈られる予定(写真/ Alex Ferro/COL CA 2019/Divulgação )

サッカーの南米大陸王者を決めるコパアメリカが、6月14日(金)に開幕する。

今大会は、日本も招待され参加することが決まっている。国別対抗のこの大会、南米大陸にある10ヵ国国のほかに、2カ国の招待国を選び、計12ヵ国で大会を開催している。

日本は、1999年大会以来の参加となる。2011年にも招待されたが、東日本大震災の影響により、参加を辞退している。

コパアメリカは、ほぼ4年に一度行われ、その開催時期は、同じく4年に一度行われる女子W杯と開催年が重なることが同く、今回も、同時期に行われる。女子W杯は1週間早く開幕しているが、出場国数の関係上、決勝トーナメントはほぼ同時に進み、決勝戦は同じ7月7日(日)(現地時間)に行われる。

そんなわけでW杯イヤーの翌年は、日本ではW杯に比べるとそれほど騒がれないかもしれないが、サッカーファンにはたまらない時期となる。

特に前々回の2011年は、非常に印象に残っている。

女子W杯では、なでしこジャパンがアメリカとの決勝をPK線で制して優勝。

コパアメリカでは、ブラジルは、パラグアイ相手に圧倒的に攻めるもゴールだけは奪えず、0-0のまま試合は終了し、PK線の末、ベスト8で敗れている。

ブラジルのコパアメリカでの戦績は、2007年のベネズエラ大会で優勝して以来、2011年、2015年はベスト8で敗退、2016年の100周年記念大会では予選リーグ敗退という結果に終わっている。

今大会は、ブラジルでの地元開催だけに、ブラジル国民の前で何としても優勝して、ブラジル代表の威信を取り戻したいところだ。

既にブラジル代表では、ネイマールの欠場が決まっている。

先月半ばに、ネイマールは、婦女暴行の疑惑が持ち上がり、疑惑の渦中にあった。大方の予想では、このような疑惑の中ネイマールはプレーできる状態にないだろう、辞退するのではないかと思われていたが、直前に行われた国際親善試合には出場した。ネイマール自身も地元開催のコパアメリカへの出場を強く望んでおり、疑惑を晴らすべくいろいろと発信していた。

しかしながら、その試合で負傷し、コパアメリカは欠場することが決まったのだ。

ネイマールは、良くも悪くも、現在のブラジルサッカーを象徴する存在だ。

エースストライカーゆえに、相手チームからのマークも激しく、ファウルを受ける回数もけた違いに多い。

そのため、故意ではないだろうが、ファウルを受けた際の、大袈裟な転がりぶりは、揶揄の対象になっている。特に、昨年行われたロシアW杯では、期待を裏切った結果とともに、顕著に批判された。

国際大会においても、ネイマールはなかなか結果を出せていない。

U23のリオ五輪では、地元開催で優勝こそしているが、フル代表での国際大会では、まったく結果を出せていない。

今大会は、地元開催ということもあり、この大会に掛ける思いは人一倍強かっただろう。しかし、残念ながら、その思いはかなわなかった。

では、ネイマールを欠いたブラジル代表の調子はどうだろうか。

コパアメリカに先立って行われた国際親善試合2試合では、2-0、7-0と圧勝している。

若いと思っていたネイマールも既に27歳だが、同年代では、チャンピオンズリーグ準決勝でハットトリックの大活躍だったルーカス・モウラ(トットナム)もいるが、今回は選に漏れた。

出場組では、左SBのアレックス・サンドロ(ユベントス)、昨年のロシアW杯での活躍が思い出されるMFフェリペ・コウチーニョ(バルセロナ)などの活躍を期待したい。

先の親善試合でゴールを決めたヒシャーリソン(エバートン)、ルーカス・パケタ(ミラン)、アルトゥール(バルセロナ)といった20代前半の若手も台頭してきている。

一方の日本代表は、ベストな選手選考はできず、若手中心の選手で臨むこととなった。

選手の所属クラブに対してFIFAの拘束力が効く南米諸国は自由に選手を招集することができ、ベストの布陣で臨むことができる。日本は招待枠での出場ということで、拘束力がないので選手の招集には所属クラブの了承が必要となるためだ。

一線級のメンバーといえば、MF中島翔哉に柴崎岳、1月に開催されたアジアカップで株を上げたDF冨安健洋ぐらいだろう。あとは、ほとんどが東京五輪世代の若手。そして、完全に旬を過ぎたと思われるFW岡崎慎司、GK川島永嗣といった面々だ。

今回の注目は、何といっても久保建英だろう。

先日の国際親善試合で、A代表デビューを飾ったばかりの18歳だ。先の代表デビュー戦では、積極的なプレーでチャンスを作り出し、非凡なところを見せてくれた。日本代表の期待の星で、この大会でスターダムにのし上がることも十分可能だ。とても楽しみな選手だ。

ブラジル、日本以外にでは、アルゼンチンでは、世界的なスーパースター、メッシが出場するし、ウルグアイでは、バルセロナでメッシの同僚、FWスアレスも出場する。

コパアメリカは6月14日(金)(日本時間15日(土)早朝)、サンパウロのモルンビースタジアムで行われるブラジル対ボリビアの試合で開幕する。

日本の初戦は、6月17日(月)(日本時間18日(火))で、同じくサンパウロ、モルンビースタジアムで、前回王者のチリと対戦する。

決勝は、7月7日(日)(日本時間8日(月)早朝)に、数々のドラマを繰り広げてきた、リオのマラカナンスタジアムで行われる。

どのような戦いが繰り広げられるのか、非常に楽しみである。ブラジル代表、そして若き日本代表にも注目していきたい。

(文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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