2021年のリオのカーニバル、中止も視野に

2020年 09月 1日

写真は2020年2月23日、リオのカーニバル。インペラトリス・レオポウヂネンシのパレード(写真/Gabriel Monteiro/Riotur)

新型コロナウィルス感染症のパンデミックが依然、猛威をふるっているブラジルでは、2021年のカーニバル(カルナヴァウ)の日程に関して、サンパウロ市とサウヴァドール市が延期を発表している。

、“リオのカーニバル”の呼び名で日本でもおなじみの大規模なコンテストパレードが開催されることでもおなじみのリオデジャネイロ市では、市政府からは公式の日程調整のアナウンスは未だ行われていないが、8月27日(木)、エスコーラ・ヂ・サンバ独立連盟(LIESA)のジョルジ・カスタニェイラ代表は、2021年は7月への延期も実現は困難だと語ったという。「Veja Rio」、「UOL」など現地メディアが伝えている。

カスタニェイラ代表は、2021年に関しては2月でも7月でも、もう準備を行う時間はないとの見解を示しているという。同連盟と、参加する各サンバ団体は、9月末に予定されている会議で日程に関する決定を下す必要に迫られている。

また、代表は、準備の問題だけでなく、そもそも国民に対してCovid-19のワクチンの接種が実現しない限りカーニバルのパレードは行えないとも語った。

名門サンバ団体のひとつマンゲイラのエリアス・ヒッシ代表も、カーニバルの開催にワクチン接種を条件づけるカスタニェイラ代表を擁護している一人として知られている。

「もし私たちがパレードを開催したとして、その数日後に、サンバ団体の多くの人が山のように発病したり命を落としたとしたら? 想像してみてください。私は二度とぐっすり眠ることができなくなります。ワクチンがなければ私たちはパレードは行いません」(エリアス・ヒッシ代表)

2021年のカーニバルの開催が宙に浮いているため。カーニバルの放映権を持つグローボ放送網も、サンバ団体への権利金の支払いを停止して結論を待っているという。

ブラジルのメディア連合の発表によると、新型コロナウィルスのブラジル国内の感染者数は8月30日(月)20時の時点で391万901人(24時間以内の新規感染者数は4万8,785人)、同感染症による死亡者数は12万1,515人(24時間以内の新規死亡者数は619人)だった。

(文/麻生雅人)