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マナウスの市営市場「アドウフォ・リズボア市場」

マナウスの市恵市場「アドウフォ・リズボア市場」(写真/Antonio Campoy)

マナウス市のシンボルのひとつでもあるアドウフォ・リズボア市場。そのルーツは、1855年頃にネグロ川のほとりにできた、ヒベイラ・ドス・コメスチーベイスと呼ばれたフェイラ(市)。ここでは近隣の地域から魚や肉、野菜、果実、穀物、粉類などの食料品が集められていた。

しかし、市の成長とともに市は手狭となり、当時のアマゾナス州知事ジョアン・ヴィウケンス・ヂ・マットス(マルイアー男爵)の指揮のもと、1869年に拡張計画が施行され、市はインペラトリス広場に移設されて12年間、その場所で運営された。

ゴム景気を背景にマナウスが発展していく中、1881年、サチロ・ヂ・オリヴェイラ州知事は、ネグロ川のほとりに近いヘメヂオス旧市街地区のバレース通りに5,400平方メートルの用地を準備。衛生面や商業面での適切な基準を持った公営市場の設立計画の最初のステップが踏み出された。公営市場の設立は1882年、アラリコ・ジョゼー・フルタード州知事に引き継がれた。

工事の入札は数回にわたって行われ、アマゾナス州政府はパラー州ベレンのバッカス&ブリスビン社と、正面はネグロ川に面し、壁はレンガ造りで、柱で支えらた屋根付きの建造物(91.476平方メートル)の建物に関する建設契約を交わした。

マナウス市の公営市場(現在の中央パビリオン)は1883年にオープンした。オープンした日付には7月15日や8月4日、8月15日など諸説がある。

建物はネオゴシック様式で、28の柱に支えられた全長45m、幅42mの鉄製で、柱には「フランシス・モートン、エンジニア、リバプール」の刻印があり、英国から運ばれてきた鉄の資材が使われていることを示している。

メインとなる2部屋と、20の物販ボックスが設置され、室内に玉石が敷かれ、鉄柱を支える基礎構造部にはリオス石(ポルトガル原産の貴重な石)も使われた。

初期の入口には1882年のアラリコ・ジョゼー・フルタード州知事の名が刻まれている。2020年現在、この建物は民芸品売り場となっている。

マナウスの市恵市場「アドウフォ・リズボア市場」(写真/Dennis Jarvis)

2017年にTV BRASILで放映されたドキュメンタリー・シリーズ「メルカードス(市場)」で紹介された際に、マナウス市文化観光財団(Manauscult)のベルナルド・モンテイロ・ヂ・パウラ理事は「今はもうないパリのレアール市場を模して作られています」と紹介した。

やがて人口が増加するにつれ、市場は拡大の必要に迫られ、1901年に拡張工事が始まった。かつてネグロ川に面していた正面とはもうひとつ、街側のバレース通りに面した正面口が作られた。またサイドに2つのパブリオンも増設され、それぞれ肉類と魚類が扱われた。

改装は1906年に終わり、当時のアドウフォ・リズボア市長は自身の名を、バレース通りに面した新しい正面玄関口のプレートに刻んだ。屋根部分には石でできたペディメント(日本建築の破風に相当する)、倉庫部分の上にはドイツ製の時計が飾られた。

1909年には南側のパティオにアマゾン名物の食材であるカメを扱うパビリオンも造られた。

1910年から始まったアマゾン地域の経済危機では、いくつもの教協施設が消滅したが、アドウフォ・リズボア市場は市民に支えられて持ちこたえた。1970年代にマナウスにフリーゾーンができて経済が拡大するにつれ、市内には国内外のスーパーマーケットが続々と登場したが、マナウスっ子たちはアドウフォ・リズボア市場を愛し続け、新鮮で品質の良い北部特有の食材を中心に利用した。

1987年7月1日に国立歴史美術遺産院(IPHAN)によってブラジル歴史遺産に認定された。

2005年に国立歴史美術遺産院(IPHAN)の認可を受けて改修工事がはじまり、2013年に再オープンした。7年にわたる改修作業には1700万レアルが投じられたと「G1」が報じている。

再オープンしたアドウフォ・リズボア市場は、64のボックス(魚類が20店、肉類が22店、青果類が24店)が設置された中央パビリオンと、11のボックスが設置されたフードコートなどが設営されている。

Gaspar,Lúcia「Mercado Adolpho Lisboa, Manaus, AM」Bibliotecária da Fundação Joaquim Nabuco(http://basilio.fundaj.gov.br/pesquisaescolar/index.php?option=com_content&id=906%3Amercado-adolpho-lisboa-manaus-am)

Azevedo,Márcio「Histórias, cheiros e sabores: conheça o Mercado Adolpho Lisboa no AM」E Tempo(https://d.emtempo.com.br/cultura/90805/historias-cheiros-e-sabores-conheca-o-mercado-adolpho-lisboa-no-am)

「História do Mercado Municipal Adolpho Lisboa」,BAND.com.brhttps://noticias.band.uol.com.br/cidades/amazonas/noticias/100000639537/conheca-a-historia-do-mercado-municipal-adolpho-lisboa.html)

Medeiros,Girlene「No AM, Mercado Adolpho Lisboa será reaberto após sete anos em reforma」,G1(http://g1.globo.com/am/amazonas/manaus-de-todas-as-cores/2013/noticia/2013/10/no-am-mercado-adolpho-lisboa-sera-reaberto-apos-sete-anos-em-reforma.html)

(文/麻生雅人)

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