「第21回 東京フィルメックス」で、日系移民強制移住事件を追うドキュメンタリー映画「オキナワ サントス」を上映

2020年 10月 28日

今年も秋の映画祭シーズンがやってきた。今週末10月30日(金)からは「第21回 東京フィルメックス」が開幕する。

アジアを中心に、世界から、独創的な映像作品を集めて紹介する国際映画祭「東京フィルメックス」のコンペティションでは、新進作家を中心に紹介されることもあり、他の映画祭とは一線を画した視点でこれまでも数多くの個性的な作品を紹介してきた。

2008年に開催された「第9回 東京フィルメックス」ではジョアキン・ペドロ・ヂ・アンドラーヂ監督のブラジル映画「マクナイーマ」を初めて日本に紹介している。

今年2020年は10月30日(金) ~ 11月7日(土)の9日間と、11月22日(日)に、TOHOシネマズシャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町朝日ホール、アンスティチュ・フランセ東京、アテネ・フランセ文化センターの5会場で開催される。

コンペティション 12作品、特別招待作品 14作品、特集上映 エリア・スレイマン 3作品の計29作品が上映される予定だ。

例年では出品作品の監督や出演者が来日して、舞台でのQ&Aや会場内での交流が行われてきたが、今年は新型コロナウィルス感染症のパンデミックの影響のため、国外の映像作家や出演者はリモートでのQ&Aが予定されている。

コンペティション部門では、第二次大戦中、ブラジルのサントスで起こった日系移民強制移住事件の真相を追うドキュメンタリー映画「オキナワ サントス」が上映される。

手掛けたのは「花と兵隊」(2009)などで知られる松林要樹監督。松林監督は2015年、文化庁新進芸術家海外研修制度によりサンパウロに留学している。

強制移住を強いられた人々の6割が沖縄からの移民であったという事実に注目した松林監督は、多くの人々を取材して、その証言から沖縄とブラジルの間の埋もれた史実を明らかにしていく。

上映は11月5日(木) 19:10~、会場はTOHOシネマズ シャンテ。

その他、銅映画祭では「愛のまなざしを」(監督・万田邦敏、出演・仲村トオル、杉野希妃)、デヴィッド・クローネンバーグ監督の問題作「クラッシュ」(1996)の4K修復版、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した注目の映像作家ホン・サンス監督の「逃げた女」などが特別招待作品として紹介される。

詳細は映画祭HP(https://filmex.jp/2020/)を参照。

(文/麻生雅人)