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干ばつによるカカオ農場の危機から生まれた「カカオ酒」

マルセロさんが開発したカカオ由来の製品。右上が「カウシャッサ」(画像/reprodução/ブラジル農牧連合会)

国民酒とまで言われるカシャッサほどではないにせよ、ブラジルではサトウキビ以外の材料からも蒸留酒が造られており、地酒としてその地方で歴史のあるお酒もあれば、近年開発されたお酒もある。

カカオの実から造られたカカオ酒は、2018年に北東部バイーア州南部にあるイリェウスで誕生した。

イリェウスは歴史あるカカオの名産地。ジョルジ・アマードという有名な作家の小説「カカオ」(1933)の舞台にもなっている。グローバル企業のカーギルも、1980年にイリェウスにココア加工工場を作って進出している。

カカオ酒が誕生したのは、イリェウスに流れるアウマーダ川のほとりにあるカカオ農場。そのいきさつを現地紙「G1」が伝えている。

農場主のマルセロ・アブランチスさんは南東部ミナスジェライス州の生まれで、2003年からイリェウスに移り住んでいる。

マルセロさんは2013年、カカオに投資するため100ヘクタールの土地を購入したが、その2年後におきた干ばつで、事業に投資したお金をほとんど失ってしまった。

「私はカカオ豆だけではない可能性を探さなければなりませんでした」(マルセロ・アブランチスさん)

チョコレートの原料はカカオの実の種子、つまりカカオ豆だけなので、カカオ農家は豆以外の部分は廃棄されてきた。大きな損失をこうむりながらも起業家のマルセロさんはあきらめず、収益を得るための多様な道を模索しはじめた。

カカオ豆からはチョコレートだけでなく、カカオニブ製品も製造。そして、これまで廃棄していた果肉を原料とする製品の開発に着手。カカオの果実の蜜や、蒸留酒などの製品の開発を始めたのもその時だった。

マルセロさんの故郷ミナスジェライス州は、国内随一のクラフトカシャッサの名産地。蒸留酒についての知識があったのかもしれない。

カカオ蒸留酒を作るにあたり、マルセロさんは農場に蒸留所を建設。苦心してカカオの果肉から生み出されたカカオ酒は、カカオとカシャッサをかけて「カウシャッサ」と名付けられた。

カカオの果肉から造られた蒸留酒は世界でも珍しく、おそらくブラジル国内でもこれが最初ではないかと言われている。2020年にはエスピリット・サント州でも、別の生産者がカカオ酒の製造に成功している。

2018年の年末に開催されたイリェウスのチョコレート・フェスティバルに初出品された「カウシャッサ」は瞬く間に話題になり、バイーア州のみならずリオやサンパウロにも出荷され、国外への輸出も計画されている。 12月6日~10日にブラジル農牧連合会(CAN)がオンラインで開催する「ブラジル産食品・飲料国際ビジネスラウンド」(参加は無料)にもマルセロさんの会社は参加が決まっている。

※「カウサッシャ」の輸入・販売を検討してみたい業者様で 「ブラジル産食品・飲料国際ビジネスラウンド」へ参加をご希望の方がいらっしゃいましたら(酒税法に基づく輸出入酒類卸売業免許が必要です) カシャッサ・カウンシル・ジャパン( info@cachaca.jp)までお問い合わせください。

(文/カシャッサ麻生)

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