カーニバルより盛り上がる!? フェスタジュニーナ(6月祭)の起源

2016年 06月 20日

フェスタジュニーナ ヘシーフィ

6月13日は聖アントニオ(Santo Antônio)の日です。聖アントニオは結婚の聖人と呼ばれ、12世紀において女性の結婚を積極的に手助けしたことから、そのように呼ばれています。現代においても、恋人、夫が欲しい女性に愛される聖人とされています。

聖人の記念日の中でも、最も重要視されているのは、聖ヨハネ(São João)の日です。ここでは、ブラジル風に「サン・ジョアン」と呼びます。サン・ジョアンは、6月24日が記念日とされています。この日はノルデスチを中心としてブラジル各地で祭りが開催されます。聖ヨハネは、イエス・キリストの母である聖母マリアの従妹であるイザベルの息子です。ヨルダン川で多くの人々を洗礼したことから、「洗礼のヨハネ」とも呼ばれます。

6月の最後の聖人は聖ペドロ(São Pedro)です(6月29日)。聖ペドロは、イエス・キリスト12弟子のリーダー格の元漁師です。カトリック教会の礎を築いた人とされています。カトリック教会では、聖ペドロは「天の鍵」を持っていると考えています。そのため、セルトンと呼ばれるノルデスチの乾燥地域では、「聖ペドロに雨乞いをする」と言うことが良く言われます。雨が降ってほしい時には、聖ペドロにお願いしようと言えば、ちょっと気の利いた表現になります。

(文/唐木真吾、写真/Luciano Ferreira/PCR)
2015年6月25日、ペルナンブッコ州ヘシーフィ市のフェスタジュニーナで出しものを披露したクアドリーリャ・ミリン・ルミアール

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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