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汚職摘発がM&Aを呼ぶ!? ラヴァ・ジャット作戦開始から3年間で、関連企業のM&Aは約36兆円規模に

オスクレン

ANBIMAによると、2016年だけで単純売却と企業再編に伴う資本取引案件の取引額は1792億レアル(約6兆2720億円)に上ったという。これは前年比+63.7%の増加で、2014年の1927億レアル(約6兆7445億円)に続く規模だという。

2017年の第1四半期は327億レアル(約1兆1445億円)と低調だったものの、第3四半期にはJ&Fやオデブレヒト(オーデブレヒチ)が大型の売却を発表したため、通年では前年並みの金額に達すると見られている。

「J&Fとオデブレヒトの案件はとても大きいですが、案件大型化はブラジルでM&Aが活発化してきていること、そしてそこに食指を伸ばす投資家がいることを示しているといえます。ブラジルの景気回復も一つの要因となってM&A市場に対する関心も日増しに高くなってきています」(ANBIMAのM&Aコーディネーター、ディマス・メギナ氏)

ラヴァ・ジャット作戦関連で売り出された株の売買契約は短期間で成立しているものの、アナリストはこれらの成約額は将来の収益額やリスクを加味して設定されていると見ている。

「ラヴァ・ジャット作戦の行方次第で、売りに出された企業がはらむリスクは大きく変動しますが、今はどちらに転ぶか予測できない状況です。今後、企業に法令がより厳しく適用されていくことから前例がほとんど参考にならず、現段階で将来のリスクを査定することが非常に難しいのです。多くの売買契約で贈収賄捜査への協力を条件とした刑の軽減が法務省から最終承認され、それが買い手の将来の利益を確実に保護するものとなることを売買成立の条件としています」(法律事務所ピニェイロ・ネトのM&A担当パートナー弁護士、カルロス・リマ氏)

リマ氏によると、売買金額の確定プロセスで最も骨が折れるのは、将来の収益に対する見積もりを立てるところだという。不確実性から将来キャッシュフローの見積もりができないからだ。

とはいえラヴァ・ジャット関連企業は、ブラジル進出を果たしていない外国企業にとってはブラジルでの事業開始の足掛かりになるという側面はありつつも、ブラジルの景気回復と世界のカネ余り状況の中、単純な投資対象としても魅力が増しているといえる。

「世界的に今、カネ余りが起きています。プライベートエクイティ投資ファンドの資金だけでも500億USドル(約5兆6000億円)もあるのです。私が確認したところ、買い手が買いたたくという状況ではないようです。交渉の場面では買い手が収益力を高めるための手立てを強く求める傾向はあるものの、不当な安値を提示するケースはありません」(ピエラントーニ氏)

ラヴァ・ジャット作戦関連企業のM&Aは2018年にも増加していくとみられる。ペトロブラスだけで2017-2018年に650億レアル、オデブレヒトが持株会社の株式も含めた120億レアルの株式売却を予定している。

各社の売却予定は以下の通り。

(次ページへつづく)

(文/原田 侑、写真/Divulgação)
写真はオスクレン。オスクレンの親会社アウパルガタスも株式を放出している

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