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国債格下げにも関わらず、ブラジル株式市場は8連騰、最高値更新

ブラジル 景気

「今回の格下げについては、前回格付けが発表された際の見通しが『ネガティブ』だったため、もう織り込み済みです。また、国内政治に関しては、市場はそもそも社会保障制度改革案の採決は無理だとの認識で動いており、もし採決されれば市場にとっては『ボーナス』、プラスアルファの好材料、という位置づけです」(アレックス・アゴスチーニ氏)

現地投資会社グラドゥアウ・インベスチメントスの主席エコノミスト、アンドレ・ペルフェイト氏によると、市場は格下げを受け止める体制が整っていて、市場に影響を及ぼすとしたらそれは国内の要因ではなく、世界情勢や景気など外的な要因だという。

とは言いつつも、ブラジル国債の格下げは国内の財政・政治が不安視されていることの表れだとペルフェイト氏は強調する。

「ブラジル国債は格付ではボリビア、セイシェル諸島、グルジア、ドミニカ共和国、バングラデシュ、ベトナムと同じグループに入っています。また、今回のブラジル国債の格付『BB-』は2001年にデフォルトを起こしたアルゼンチンの、デフォルト直前と同じレベルです。今回の格下げはフィッチがブラジルに関して発している強いメッセージであることは事実です」(アンドレ・ペルフェイト氏)

2月19日の週はブラジルの景気見通しに関するポジティブな指標の発表もあり、市場に楽観的ムードが広がり、Ibovespaは史上最高値を更新し続けた。ブラジル公式インフレ指数、広域消費者物価指数(IPCA-15)は2月に入り0.38%上昇したという。

現地金融サービス会社コインヴァローリスのアナリストたちは、ブラジル中央銀行がインフレ指数の上昇を鑑み、3月の会合後に政策金利を年率6.5%にまで下げるのではないかという憶測が生まれ、株式市場に影響を及ぼしていく可能性があると指摘する。

2月23日の市場で動きが目立ったのは、前年比300%という史上最高益決算を発表した家電販売大手のマガジーニ・ルイーザ。この銘柄に買いが集中し、Ibovespaを押し上げた。日中、前日比で最大7.4%上昇したという。

一方、赤字幅拡大の決算を発表した食肉加工大手BRFは、JPモルガンのレーティング引き下げの影響もあり、大きく値を下げた。

日本の株式市場を見慣れた目で見ると、ブラジル市場は正直ポジティブすぎる感がある。選挙を控えた政権の不安定化、治安の悪化、構造改革の遅延等々、ネガティブな材料もそれなりにあるからだ。

にも関わらず史上最高値を更新し続けるブラジル市場。そのプレーヤーは、日本市場のプレーヤーとはメンタル面での根本的な違いを感じる。

新興国投資は未来への投資という面もあるが、ポジティブな未来を描くことにさほど根拠を求めないところがブラジル市場の特徴なのかもしれない。

(文/原田 侑、写真/Divulgação)
写真はバーゲンシーズンで込み合うマガジーニ・ルイーザの店内

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